買い物の際には豆腐を必ずカゴに入れるという人も多いのではないでしょうか。
しかしながら、
「本当に栄養価は高いの?」
「冷やっこかみそ汁に入れるくらいしか使い道がない…」
などと思っていませんか。
ここでは管理栄養士の筆者がその疑問にお答えします。
具体的には家庭でよく使われる豚肉や鮭の切り身との値段と栄養価の比較、節約を意識した献立作りがグッとラクになる「豆腐」を使った簡単レシピを紹介します。
目次
豆腐、豚肉、鮭の価格を比較
まずは普段家庭でよく使う食材の価格を比べてみましょう。
・ 木綿豆腐:23円 / 100g
・ 鮭きり身:274円 / 100g
・ 豚モモ肉:191円 / 100g
参考:総務省 小売物価統計調査
圧倒的に豆腐が安いということがわかります。
仮に魚と肉を交互に食べていたのをすべて豆腐に変えると
しかし、豆腐料理ばかりの食卓が続くのは現実的ではありませんし、健康面でのリスクも気になります。
豆腐、豚肉、鮭の栄養的価値を比較
豆腐の代表的な栄養素はタンパク質です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によるとタンパク質の推奨量は18歳~64歳男性で65g、女性で50gです。
先ほどの鮭切り身と豚モモ肉も一緒にそれぞれどのくらいのタンパク質が含まれているのかを比べてみましょう。
・ 木綿豆腐:7.0g / 100g
・ 鮭切り身:21.7g / 100g
・ 豚モモ肉:20.5g / 100g
同じ重量であれば、木綿豆腐には鮭切り身や豚モモ肉の約1/3のタンパク質が含まれているということがわかります。
豆腐ばかり食べるリスク1:タンパク質が不足する心配
主菜の全てを豆腐にするとタンパク質が不足する心配があります。
タンパク質が不足すると、風邪をひきやすくなったり、肌や髪がパサパサになったりしてしまいます。
そこで筆者が提案する豆腐を使った献立の立て方は3つです。
(2) 肉を使う量を減らし豆腐とだき合わせてメインにする
(3) たっぷり豆腐を使ってメインにする
豆腐ばかり食べるリスク2:意外と脂質が多い
ヘルシーなイメージの豆腐ですが、意外にも脂質が多く含まれています。
豆腐1丁300gで脂質14.7gです。
これは豚モモ肉約140g(しょうが焼き1人前程度)と同じくらいの脂質の量です。
食べやすく便利な豆腐ですが豆腐ばかり食べるのはよくありません。
全ての食べ物にも言えることですが、バランスが大切です。
豆腐の簡単レシピ1:ネギ塩やっこ
材料(3人分)
木綿豆腐:300g
長ネギ:1/2本
★ごま油:大さじ2杯
★塩:小さじ1/2杯
ブラックペッパー:適宜
作り方
1. 長ネギをみじん切りにして★と合わせる
2. 豆腐を3等分して1.をのせる
いつもの冷ややっこも薬味を変えるとパンチのある1品になります。
ごはんのおかずにはもちろん、ハイボールのあてにもおすすめです。
豆腐の簡単レシピ2:豚キムチ豆腐
材料(4人分)
豚こま切れ肉:200g
木綿豆腐:300g
キムチ:150g
長ネギ:1本
シイタケ:8個
ニラ:1/4束
ごま油:大さじ1杯
★砂糖:小さじ2杯
★しょう油:小さじ2杯
★みそ:小さじ1杯
★酒:大さじ1杯
★鶏がらスープの素:小さじ1杯
★水:150cc
下準備
・ キムチをざく切りにする
・ 木綿豆腐を6等分する
・ シイタケの軸をとる
・ ニラを5cm幅に切る
・ 長ネギを2cm幅の斜め切りにする
作り方
1. フライパンにキムチと★を入れてひと煮立ちしたら豚こま切れ肉を加える
2. 肉に火が通り色が変わったら、木綿豆腐、長ネギ、シイタケをくわえフタをして弱火で10分煮る
3. ニラを加えてごま油を回しかける
あっさりしてしまう豆腐に豚キムチを合わせることで満足度増し、冷房で冷えている体を内側から温めます。
豆腐の簡単レシピ3:ステーキ風味豆腐
材料(1人分)
木綿豆腐:300g
バター:10g
にんにく:1片
玉ねぎ:1/2個
★しょう油:大さじ3杯
★砂糖:大さじ1杯
★酢:大さじ1杯
★顆粒洋風だし:大さじ1/2杯
下準備
・ 木綿豆腐を厚さ半分に切り、それぞれ9等分する
・ にんにくを薄切りにする
・ 玉ねぎをみじん切りにする
作り方
1. フライパンにバターを溶かして木綿豆腐を入れ、両面焼き色がつくまで焼く
2. (1) ににんにくを入れて弱火で熱し香りを出す
3. (2) に玉ねぎと★を入れて、水気がなくなるまで煮詰める
オニオンステーキソースで豆腐の立派なメインが完成です。
水切り不要で思い立ったらすぐできるのもおすすめポイントです。
豆腐をうまく採り入れて食費を節約
豆腐の価格や栄養的な価値、簡単節約レシピをお伝えしました。
豆腐をうまく献立に採り入れて食費を節約しましょう。(執筆者:栄養士・管理栄養士 小原 水月)