女性の社会進出が本格化するにつれて、女性が単独で返済することを想定した、女性向け住宅ローンが大手行などで販売されています

女性向け住宅ローンというと、独身の女性だけが利用するイメージですが、女性が単独で返済できるのであれば、結婚していても利用できます

そこで注目したいのが、奥さまが住宅ローンが借りやすいサラリーマン、ご主人が住宅ローンを借りにくい自営業者などの場合です。

今回は、女性向け住宅ローンの代表的な商品となっている、りそな銀行の「凛next」を題材に、女性向け住宅ローンの活用方法を考えます

りそな女性向け住宅ローン
≪画像元:りそな銀行

女性向け住宅ローンの一般的なメリットは多種多様

女性向け住宅ローンが想定している顧客は、結婚よりも仕事を優先するキャリアウーマンです。

そこで「凛next」では、女性の働き方が多様化している状況に鑑み、給与所得者の場合は勤続年数1年以上、前年の税込年収も100万円以上に緩和しています

また、無料で最長3年間のローン返済支援保険が付保されており、一定の条件を満たした場合は、ローン返済を保険金でカバーできるようになっています。

さらに、女性は「乳がん」など、がんのリスクが高いことをふまえ、3大疾病保障特約が通常は年0.25%のところ、年0.15%の上乗せで加入できます

そして「凛next」の契約者には、りそなの女性向けローン会員カード「りそなヴェールカード」が進呈され、さまざまな割引優遇に利用できます。

女性のライフスタイルに寄り添った住宅ローンとして、一定の評価ができるでしょう。

奥さまがサラリーマンの場合にも活用したい女性向け住宅ローン

奥さまがサラリーマンの場合使えるローン

このようにさまざまなメリットがある女性向け住宅ローンですが、結婚している奥さまでも利用できます

ただし、お互いが債務者となる夫婦ペアローンにおいては、奥さまのみが「凛next」を利用できるという注意書きがあるだけです。

そして、女性の社会進出とともに働き方も多様化し、奥さまがサラリーマン、ご主人が自営業やフリーランスといったご家庭も増えてきています。

この場合、普通の住宅ローンではまずご主人が主債務者という考え方が残っているため、不動産業者や金融機関に奥さまが主債務者という考え方がうまく伝わらないこともあります。

そこで、女性である奥さまが主債務者であることが前提の「凛next」を利用すれば、話がスムーズに進むだけでなく、住宅ローン返済中にも奥さまが「凛next」の恩恵を受けられます

ここで、ご主人は無理に登場する必要はなく、どうしても連帯保証人を求められた場合などに対応すれば良いでしょう。

今後も、上記のようなご家庭は増えていくと考えられ、さらに進んでご主人が専業主夫という形態も考えられます。

そのような時に、女性向け住宅ローンをうまく活用すれば、住宅ローン返済中も安心です。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)