日本に住んでいる限り、地震はいつどこで起きるかわかりません。

そもそも地震大国と言われてきましたが、1995年
の阪神大震災や2011年の東日本大震災などが記憶に新しく、私たちの防災意識は急速に高まりました。

社会インフラや住宅の自然災害への対応はあらゆる場所で見られますが、ではお墓の場合はどうなのでしょうか。

お墓の免震耐震対策についてご紹介いたします。

お墓の「免震耐震」対策

地震がお墓にもたらす被害

墓石業界では、震度6以上の地震では6割の墓石が、震度7以上の地震では9割の墓石が倒壊すると言われています。

実際に震度6弱以上の地震は、2019年に3件、2018年に2件、2016年に12件起きています

こうした非常に強い地震は墓石の倒壊だけではなく、ひどい時には基礎や地盤のひび割れ、山崩れや地盤の崩壊を起こすこともあります。

接着剤による免震施工

どんなに徹底的な免震や耐震施工をしたとしても、自然の力にはかないません。

どんな地震がやってきたとしてもビクともしないお墓を作るのが、物理的に不可能です。

ただし、地震が起きた時に限りなく被害を最小限に抑える努力はできます。

主に接着剤やゲルを用いた免震対策、そして金具を用いた倒壊防止対策が挙げられます。

昨今の一般的な施工では、石材と石材の接着面にシリコン製の接着剤を塗布し、これが一定の免震効果を持つと言われています

ただし接着剤の耐用年数にも限りがあります

定期的に(10年に1度程度)は石材店に接着剤の補充をしてもらいましょう

相場は3万円から5万円程度です。

注目を集めているのが株式会社安震が開発した「安震はかもり®」。

安震はかもり
≪画像元:ANSHIN

地震の揺れを吸収して逃すゲル状のパットで、墓石の4隅に貼り、専用接着剤を塗布します。

耐震実験では震度7でも抜群の安定性を実証しています。

多くの石材店で用いられており、特別な施工も不要なため、1基あたり約3万円という価格が魅力です。

ステンレス金具による倒壊防止

墓石用地震対策
≪画像元:工具屋ボイス

もうひとつの大きな対策が、金具を用いた倒壊防止です。

阪神大震災は都市直下型の地震で、神戸市をはじめとする周辺地域の墓地を直撃しました。

その後の墓石施工で主流となったのが、ステンレス金具による部材同士の連結です。

墓域の周囲を囲む石材(巻石や玉垣)の据付の際、従来はセメントで接着するだけでしたが、金具で固定することで墓域外への店頭を防げます。

もしも古いお墓で、ステンレス金具の施工がなされていない場合は石材店に相談してみましょう

費用相場は3万円から10万円くらいです。

まずは墓地の地盤について確認

これから新しくお墓を建てる人は、まずはその墓地の地盤について確認しておきましょう。

どんなにお墓に耐震対策を施したとしても、地盤が弱いと意味がありません

・ 墓地となる場所がもともとどんな土地だったのか

・ 造成は切土か盛土(切土の方が頑丈

なども調べてみましょう。

さらにはハザードマップなどにも目を通し、地震や土砂災害の危険が少ないかも要チェックです。

その上で、さまざまな石材店を巡って、耐震や免震に力を入れているところに相談するのが良いでしょう。(執筆者:葬儀業界15年、1級葬祭ディレクター 五十嵐 信博)