税金の申告をする際には白色申告よりも青色申告をしたほうがメリットが大きいということは、多くの方がご存じのことでしょう。

事業を営んでいる方が毎年している確定申告の他にも、相続した後にする税金の申告でも青色申告を利用できる場合があります。

ただし、今まで青色申告をしていなかった方の場合には、決められた期限内に青色申告承認申請書を納税地の税務署へ提出しなければなりません。

今回は、相続した後の税金の申告で青色申告を利用できるのはどのような場合か、いつまでに青色申告承認申請書を提出すればよいのかについて説明します。

相続後に「青色申告」を利用できる場合

青色申告のメリットとは

青色申告には、主に次のようなメリットがあります。

・ 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる

・ 専従者に支払った給料を全額経費にできる

・ 赤字の全額を3年間にわたって繰り越せる

・ 30万円未満の取得資産を一括で経費に計上できる

・ 貸倒引当金を一括評価で計上できる

青色申告をするには手間がかかりますが、白色申告よりも税制上のメリットが格段に大きいので、所得税の確定申告をする際には青色申告の利用を検討するとよいことでしょう。

青色申告を利用できる3つの場合とは

青色申告を利用できるのは、次の3つの所得のいずれかがある人が所得税の確定申告を行う場合です。

・ 事業所得
・ 不動産所得
・ 山林所得

したがって、相続後の税金の申告で青色申告を利用できるのは、

・ 相続によって故人から事業を承継した

・ アパートなどの収益不動産や山林を取得した

場合ということになります。

継承、取得した後にご自身の所得税を確定申告する際に青色申告を利用できます。

相続税の申告には青色申告の制度はない

相続制を申告する際には、残念ながら青色申告のような特典付きの制度はありません

上記のとおり、青色申告は所得税の確定申告を行う際に利用できる制度だからです。

相続後に青色申告承認申請が必要な場合とは

今までに確定申告をしたことがない方や、確定申告をしたことはあっても青色申告の承認を受けずに白色申告をしていた方の場合には、青色申告承認申請をしなければ青色申告の利用はできません

たとえば、会社員の方が相続によって親が所有していたアパートを取得すると、不動産所得が発生し翌年から確定申告が必要となる場合があります。

その場合、一定の期限までに青色申告承認申請書を納税地の税務署に提出しておかないと、少なくとも翌年の確定申告は白色申告でしなければなりません。

たとえ故人が青色申告を利用していたとしても、青色申告者の地位まで相続できるわけではありません

相続後のご自身の所得税の確定申告を青色でするためには、青色申告の承認申請が必要です。

一方、既に青色申告の承認を受けている方は、相続によって事業を承継したり、収益不動産を取得したりしても、改めて青色申告承認申請書を提出する必要はありません。

相続後の青色申告承認申請の期限

青色申告の承認申請書

色申告承認申請の期限は、故人がどのように申告していたかで異なります。

故人が白色で申告していた場合

故人が白色で申告していた場合には、

亡くなった日から2か月以内、またはその年の3月15日のどちらか遅いほうの日までに青色申告承認申請を提出

しなければなりません。

故人が青色で申告していた場合

一方、故人が青色で申告していた場合は、相続人(承継者)の申請期限についても特典があり、原則として亡くなった日から4か月以内とされています。

ただし、亡くなったのが9月以降の場合にはその年の残り期間が4か月を切っているため、次のように調整されています。

・ 9月1日~10月31日の間に亡くなった場合:その年の12月31日まで

・ 11月1日~12月31日の間に亡くなった場合:翌年の2月15日まで

青色申告承認申請書はできる限り早く提出する

相続が発生した場合に相続税の申告を気にする方はいても、その後のご自身の所得税の確定申告にまでは関心の及ばない方が多いのではないでしょうか。

事業を承継した場合には、もともと税理士が関与していることが多いので問題となるケースは少ないようです。

しかし、アパートなどの収益不動産を相続した場合には、確定申告の時期が近づくまで所得税のことを気にしない方が多いようです。

また、故人が白色で申告していた場合には、亡くなってからわずか2か月で青色申告の承認申請期限が過ぎてしまいます

青色申告承認申請書は、できる限り早く提出するようにしましょう。(執筆者:元弁護士 川端 克成)