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【読者の質問に回答】リタイア後で負担に感じる「火災保険料」「地震保険料」をどうしたらよいか

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【読者の質問に回答】リタイア後で負担に感じる「火災保険料」「地震保険料」をどうしたらよいか

マイホームを守る保険として火災保険と地震保険は広く知られていますが、近年の風水害や震災の多発により両損害保険の保険料は値上がりが続いていて、家計への負担も大きくなってきています。

収入の多い現役世代であれば保険料負担もさほど苦にはならないかもしれませんが、リタイア後などで収入が減少した場合には保険料負担が重く感じられるようになり、節約できる支出はできるだけ減らしたいと考えます。

今回は、FPに寄せられた相談から「リタイア後に築年数が経過したマイホームの地震保険の必要性」について解説します。

相談者の悩み

保険料が負担になってきた

今回のご相談者はリタイア後の女性から、

「近年は地震保険料の値上がりも続いたことで保険料負担が重く感じられ、可能ならば節約したいと考えています。

築年数が経過し、補償額もさほど期待できない場合でも地震保険に加入し続けたほうがよいのでしょうか?」

という質問です。

地震保険の保険金支払いについて

【火災保険】

火災・風水害・爆発・破裂・盗難などにより建物や家財が損害を受けた場合に補償を受けられるため保険を利用できる機会が比較的多く、保険金も新品を再度調達するのに必要となる価格である「新価」を基準に支払を受けられます。

【地震保険】

火災保険とセットで契約し、地震・津波に起因した火災などで建物や家財の損害の補償を受けられます

しかし、保険金の支払は損害発生の価値である「時価」が上限となっているため、

建築・購入から時間の経った建物や家財では保険金が減額されてしまい、新価の場合よりも少なくなってしまうほか、損害額が一部損未満(建物の時価の3%未満、家財は時価の10%未満)の場合は保険金は支払われません

地震保険を解約した場合のリスクは

地震保険の保険金は軽い損害では受け取れず、倒壊などの重い損害でも時価での判定のため、保険金だけでは損害額を賄えません

今回のご相談者のケースでも、築年数が経過しているうえにリフォームなども実施していないため、地震保険を契約し続けたとしてもさほど多くの保険金を受け取ることは難しいと思われました。

しかし、生活基盤が崩れるような被害を受けた場合には日々の生活が送れるように仮復旧を行うだけでも多額の一時金が必要になるため、リタイア後などで収入が減少している場合には資金を工面する方法を用意しておく必要があります

提案

解約により補償範囲を狭めてしまうと生活再建に支障が生じるリスクが高まるため、今回のケースでは

契約する保険金上限額の見直しを行い、保険料を節約する方法

をご提案しました。

時価払いのケースでは財物の価値が減少しているにも拘らず、当初の保険金額のまま契約を更新し続けていることがあります。

こうした場合には、契約内容の見直しによって保険金が節約できる可能性があります。

しかし、保険金上限額を抑えるデメリットとして、時価払いの地震保険に合わせて新価が基準となっている火災保険の保険金を引き下げた場合、火災保険の適用を受けた場合は同程度の建物・家財を新価で購入する金額には達しないため規模や価格を下げたうえで再建を進めることになります。

何かあった時にお金が必要になる

保険は定期的に見直し

火災・地震の両損害保険は保険料が年々高くなり、特にリタイア後などで収入が減少している場合にはその負担を無視できない場合があります。

特に地震保険は時価払いのため、築年数が経過しているマイホームの場合には契約を継続する効果に疑問を感じ、解約してしまいたいと考える向きもあります。

しかし、解約により補償範囲を狭めてしまうと、万が一の際に保険金が下りないケースが生じてしまうリスクが高まります。

地震保険の保険金は確かに同等物を新規購入する金額には足りませんが、生活再建のための資金として重要な意味があるのです。

解約ではなく、保険対象物の価値の減少に合わせ保険金の上限額を見直すことで保険料を節約できる場合があります。

火災保険と地震保険は新価と時価2つの保険金の支払基準を把握し、必要に応じた保険金を設定するよう定期的に見直されることをおすすめします。(執筆者:菊原 浩司)

《菊原 浩司》
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菊原 浩司

製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。 ≪保有資格≫2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級  寄稿者にメッセージを送る

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