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労災保険の対象を「ケガや病気の具体例」で解説 飲酒していたら対象外

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労災保険の対象を「ケガや病気の具体例」で解説 飲酒していたら対象外

労働者災害補償保険(以下労災保険)は働く人なら誰でも加入しています。

たった1日あるいは1時間だけのアルバイトでも対象となりますが、労災保険の対象となる事故でのケガや病気の具体例を知っている人は、少ないと思います。

そこで「こんなケースも対象となるの」というケースをご紹介していきます。

労災保険の対象となる ケガや病気の具体例

労災保険とは

労災保険は、「業務災害」と「通勤災害」の大きく2つに分かれます。

業務災害として認定される条件は下記の3つとなります。

1. 仕事中

2. 仕事が原因

3. 病気の場合は、さらに労働の場に健康を害するほどの有害な危険因子があり、発症の経過と状態が医学的に妥当である

3番目はわかりにくいですが、最近ではメンタルヘルス不調やパソコンによる目の疾病、腰痛等が多くなっています

通勤災害としての認定基準は、下記の3つです。

・ 就業に関して

・ 住居と就業の場所との間を

・ 合理的な方法で往復すること

合理的な方法とは、会社まで1番近くて1番安い方法ということです。

こんな事故も業務災害となる

仕事中に転んでケガをしたり、接待ゴルフや全員参加のレクリエーションでケガをするケースはよくあることです。

当然労災の対象となります。

最近では心の健康を害するケースが多くなりました。

その場合は「心理的負荷評価表」を用いて労災の対象となるかどうかを判断のひとつの目安とします。

この評価表にセクハラは以前からありましたが、今年6月から新しくパワハラが加わり、分かりやすくなりました

参照:厚生労働省(pdf)「心理的負荷評価表」

次に出張中の場合ですが、その間すべてが仕事中になります

つまり、普通であれば労災の対象とならない休憩中や食事中、ホテルでの宿泊等も対象となります。

具体的には、

・ レストランに入って食事をしてやけどを負ったり食中毒になった

・ ホテルの部屋でころんでケガをした

等です。

ただし、注意してほしいのは、アルコールを飲まないということです。

食事中やホテルの部屋でアルコールを口にしてしまうと、当然仕事中にはならないので、労災も適用されません。

出張中は、アルコール禁止を心がけましょう。

これでけがしても 労災おりません

意外と知らない通勤災害

通勤災害といえば、自宅と会社の経路上での事故等で「そんなこと知っている」と思っている方も多いでしょう。

しかし、それ以外でも通勤災害として認定されるケースがあります。

まず、通勤の手段ですが、会社に電車とか自転車とか届出をしています。

では、電車で届け出をしているにもかかわらず、自家用車で会社に行く途中で事故に遭った場合は、どうなるのでしょうか

結論から言えば、このケースの場合は労災の対象となります。

自家用車での通勤が合理的経路であれば労災適用において問題はありませんが、会社の届出とは異なりますので、会社ではこの矛盾を追及されるでしょう。

次に、会社の全員参加のレクリエーションや宴会の場合、そして会社から命令されて出席する社外研修や展示会等の場合も、当然通勤経路から外れますが、会場から自宅までは通勤災害の対象となります。

さらに、研修や展示館等の終了後、懇親会等に出席をするケースもあるかもしれません。

他社の方とのコミュニケーションを取るという意味では大切です。

この懇親会等ですが、確かに出席は会社の指示ではありませんが、こちらも会場から自宅までは通勤災害の対象となります。

ただし、出張中の箇所でも触れましたが、アルコールを口にすると対象外となりますので注意が必要です。

また、全国に支店のある会社ですと、単身赴任している方も多いかと思います。

単身赴任の場合は、単身赴任先と自宅と会社の3か所すべての移動が通勤災害の対象となります。

最後に注意が必要なのは、自宅の範囲です。

マンションであれば、玄関から一歩でれば廊下は共有スペースですので通勤途上となります。

一戸建ての場合は、玄関から一歩でると庭でさらに門扉があって、道路に出るかと思います。

玄関を開けると即道路ではないでしょう。

すると道路にでるまでは敷地ですので、出社の際に庭で転んでケガをしても労災の対象とはなりません

育児と介護に関して優遇されている通勤災害

保育園の送り迎えでも労災の対象に

共働きのご夫婦が多い現状や介護離職をさせないために育児や介護を担っている労働者には、通勤災害について優遇されています。

1. 子どもを保育園に送り迎えするために寄り道をしている

2. 親の介護のために実家に寄り道をしている

この2つのケースは、寄り道を含めてすべての経路が労災の対象となります

労災の対象となるケースは多い

労災の対象となるケースは多いです。

労災のポイントはアルコールともいえます。

アルコールは、休日や完全に仕事が終わってからにした方が安心です。

また、出張中は24時間仕事中になりますので、よく考えて行動してください。

仕事中または通勤途上でケガをして、会社の担当者に労災の対象にならないと言われても、1度自分自身で労働基準監督署に確認をしてもらうことをお勧めします。(執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵)

《菅田 芳恵》
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菅田 芳恵

執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵 菅田 芳恵

グッドライフ設計塾 代表。大学卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務。49歳から2年間で7つの資格を取得し独立開業。その後さらに6つの資格を取得。現在、13の資格に裏打ちされた様々な知識を活かして、企業コンサルティング、研修講演講師、コラム執筆、労働トラブルや資産運用の相談対応、キャリアカウンセリング、心の健康に関するカウンセリング等幅広く活動。 <保有資格>:特定社会保険労務士、1級FP技能士、CFP、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、ハラスメント防止コンサルタント、医療労務コンサルタント、知的財産管理技能士等 寄稿者にメッセージを送る

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