近年の大地震や豪雨などで倒壊する家は後を絶ちません。これから家づくりを検討するのであれば、地震に強い家を建てたいところです。

建物の強度を表す基準に「耐震等級」というものがあります。

今回は、耐震等級の重要性と金銭的なメリットを解説します。

建物の耐震性能を表す「耐震等級」とは

「耐震等級」は住宅の性能表示制度に定めてられいる基準の1つで、家づくりを検討する方にとっても分かりやすい住宅性能の判断材料です。

耐震性能の基準として等級区分が1~3まであり、3が最も地震に強い基準です。

詳細は次の通りです。

耐震等級と耐震基準

日本の住宅の耐震性の強化は国を挙げて取り組まれてきました。

昭和56年に新耐震基準を導入され、平成12年には建物の接合部の仕様を明確にする現行規定が適用されています。

その結果、ある程度の性能が担保された家が普及して安全性が確保されていたかに思われていました。

建築基準法レベル(等級1)でも被害多し

建築時期別被害状況

しかし、2016年に起きた熊本地震で震度7の揺れが2回観測され、現行規定の建物であっても被害が少なくありませんでした

国土交通省の資料によると、調査対象となった平成12年以降に建てられた「建築基準法レベル(耐震等級1程度)」の建物は301棟で、そのうち無被害だったのは181棟と全体の約60%程度しかありませんでした。

「倒壊」は7棟

「大破」は12棟

「軽微・小破・中波」は101棟

あり、安全と思われていた近年の建物でも一定数の被害が出てしまいました。

一方で、「耐震等級3」の建物は16棟中、無被害が14棟、「軽微・小破」が2棟と被害は最小限で済みました。

「耐震等級3」の建物の被害状況

等級3なら地震保険料が半額

耐震等級3であれば、安全性はもちろん金銭的なメリットもあります

建物を建てる際には、多くの方が火災保険に付随した地震保険に加入されると思います。

実は、耐震等級が高ければより割引を多く受けられます。

「等級1」なら10%
「等級2」なら30%
「等級3」なら50%

といった割引が適用されます

たとえば、筆者が5年分の地震保険を組んだ際には耐震等級3で約10万円の割引を受けられました。

住宅ローンの35年の期間にすると約35万円がお得になります。

購入・建築前に「耐震等級3」の建物を確認する

これから家を建てる場合には、安全性はもちろん、金銭的なメリットの面からも「耐震等級3」の建物がおすすめです。

等級3の基準をクリアするのはそれほど難しいことではなく、今では等級3を標準仕様にしている住宅会社も多くあります。

しかし、全ての住宅会社が等級3で家づくりをしているわけではないので、相談する際は事前に「耐震等級3で建ててもらえるかどうか」の確認をしておきましょう。(執筆者:1級FP技能士 椎名 隼人)