2020年9月1日に発表された総務省の労働力調査によると、7月の完全失業率は2.9%と前月に比べて上昇し、完全失業者数は197万人となっています。

離職の理由はさまざまですが、勤務先の都合での離職が38万人、新たに求職するための離職が48万人に上ります。

もし、現在45歳未満で求職中、あるいは転職を考えている場合には、「教育訓練支援給付金」の制度を知っておくとよいかもしれません。

「教育訓練給付制度」とは

教育訓練給付制度の概要
≪画像元:厚生労働省

教育訓練給付制度とは、仕事のスキルアップのために厚生労働大臣の指定する教育訓練講座を受講した場合に受講料等をハローワークから一部支給してもらえる制度のことです。

講座受講の対象は、現在、在職中で雇用保険に加入している被保険者、または過去1年以内に被保険者であった離職者で、ハローワークで設定した一定の要件を満たす方です。

教育訓練給付には

・ 英会話や行政書士等の資格取得を目的とした「一般教育訓練給付金」

・ 長期間に渡って専門知識を身に付け、資格を取得する「専門実践教育訓練給付金」

があります。

「教育訓練支援給付金」を受けられるのは「専門実践教育訓練給付金」の受給者のみで、「一般教育訓練給付金」の受給者は対象とはなりませんのでご注意ください。

「専門実践教育訓練給付金」の対象者・対象講座・給付金

専門実践教育訓練の給付金のご案内

「専門実践教育訓練給付金」の対象者・対象講座・給付金の金額などについて見ていきましょう。

専門実践教育訓練給付金の対象者

現在在職中の方は、専門実践教育訓練給付金の講座開始日に被保険者期間が3年以上あれば対象者です。

離職中の方も、被保険者期間が3年以上で講座の開始が被保険者の資格を喪失した日から1年以内であれば対象者です。

なお、専門実践教育訓練給付金を初めて受ける方は、被保険者期間が2年以上あれば対象者です。

専門実践教育訓練給付金の対象講座

キャリア形成を目指した制度のため、専門的、実践的な講座が中心です。

講座の種類には、

・ 業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す講座

・ 工業、医療などの専門学校での職業実践専門課程

・ 高度専門職業人の養成を目的とした専門職大学院

・ 大学・短期大学での職業実践力育成プログラム

・ 高度IT分野等、社会人向けの第四次専業革命スキル習得講座

など、多くの専門学校、大学、教育機関で専門実践教育訓練給付金の対象講座が用意されています。

上記の中でも「業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す講座」は、

・ 資格を持たないと業務を行えない「業務独占資格」

・ 資格を持たないと名称の使用が禁止される「名称独占資格」

の取得が目的で、看護師、介護福祉士、建築士、保育士、美容師、はり師、歯科衛生士、柔道整復士といった分野の講座が多くあります。

ハローワークのホームページで対象講座の検索ができますので、興味のある専門分野の講座があるかどうかを調べてみましょう。

専門実践教育訓練給付金の支給額

給付金対象の講座を受講して、必要となった教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が支給されます

また、講座終了後に資格を取得して就職につながった場合には、教育訓練給付金経費の70%(年間上限56万円)が支給されます

なお、「専門実践教育訓練給付金」を受給するには、ハローワークにてキャリアコンサルティングを受ける必要があります。

専門実践訓練の教育給付金

45歳未満の離職者は「教育訓練支援給付金」を受けられる

45歳未満の離職者で「専門実践教育訓練給付金」の支給対象者は「教育訓練支援給付金」も受けられます(受講する講座が通信や夜間ではない等の条件があります)。

受給期間は失業手当の受給期間終了後から「専門実践教育訓練終了」まで、受給額は失業手当の日額80%程度です。

「専門実践教育訓練給付金」の講座は、受講終了まで1年から3年程度と長期に亘りますので、その間の収入面での不安を減らせます

「教育訓練支援給付金」は2022年3月31日までの期間限定の措置です。

利用を考える方は退職時期をいつ頃にするか等、計画的に検討されることをおすすめします。

キャリア形成に使える制度はフルに活かす

高齢者の労働人口は年々増加しています。

健康寿命も延びている昨今、年金がもらえる年齢になったら完全にリタイヤするのか、これまでのキャリアを活かして生き生きと働き続けるのか、人生後半戦の過ごし方を考えることは大切です。

「教育訓練給付金制度」のさらなる詳細については、ハローワークのホームページで確認できます。

受け身では利用できない制度ですので、興味のある方はこの機会を有効に活用してみましょう。(執筆者:AFP 大川 真理子)