「どこで住宅ローンを借りるか」と悩まれる方は少なくありません。

現在住宅ローンには数多くの商品が存在します。

それぞれの銀行で、一長一短があり、ご自身に合った住宅ローンを探すことは簡単ではありません。

このコラムでは、住宅ローンをこれから借りようと思われている方のために、後悔をしないための、選び方のポイントお伝えします。

自分に合った銀行を選ぶための順序

住宅ローンを選ぶ順序

銀行の住宅ローン商品を探していると大抵の方は、目移りします。

「ここの銀行は金利が高いけど、団体信用生命保険が充実している。」

「ここは金利が低いけど、ネットで全部手続きをするから不安。」

「金利は高いけど、手数料が安い銀行があり捨てがたい。」

このようなことを考えながら結論が出ないまま時間が経過してしまう方は少なくありません。

それぞれの商品の長所と短所が頭の中で混ざり合ってしまい、混乱してしまいます。

住宅ローンを考える際は、金利、手数料、保証料を計算し、その後に団体信用声明保険を考えるようにすると判断がつきやすくなります

負担する金利、事務手数料、保証料を計算する

住宅ローンを借りる際に銀行によって大きく異なるのが、金利と事務手数料と保証料です。

税金は銀行によって変わるものではありませんし、抵当権設定時の司法書士報酬は銀行によってあからさまに違うものではありません。

また、住宅ローンは金利が低ければ良いというわけではなく、

「金利+事務手数料+保証料」

のトータルで、負担する金額を比較する必要があります

金利の考え方

インターネットで銀行の住宅ローンランキングを調べると、比較的金利が低い銀行を選定できます

金利を比較する際に、判断がつきやすいように、0.1%の具体的な金額を計算しておきましょう。

例えば、1,000万円の住宅ローンを35年、0.1%の金利で借りると、金利負担は35年で約18万円になります。(筆者計算、万円未満四捨五入)

これを基準にさまざまな計算ができます。

もし、5,000万円の住宅ローンを借りるのであれば、18万円を5倍します。

または、金利を0.5%で計算するのであれば、これも18万円を5倍にすればおおよその金利負担を計算できます

整理すると下記の通りになります。

借入額1,000万円 金利0.1% 返済期間35年

前提:借入額1,000万円、金利0.1%、返済期間35年の利息負担額は18万円

借入額5,000 万円、金利0.1%、返済期間35年の利息負担額

18万円の5倍 → 90万円

借入額1,000 万円、金利0.5%、返済期間35年の利息負担額

18万円の5倍 → 90万円

現在金利0.1%の住宅ローンは存在しません。

この計算は、「1,000万円、0.1%、35年の利息負担額18万円」という基準を元に、応用をすることで、自分で金利の負担額の目安を計算できる、ということを説明するために示しています。

一見面倒な計算をしているように見えますが、このような計算プロセスをイメージできると、

「5,000万円の借入だと、0.1%の金利で利息負担額に約90万円の影響が出る。」

「0.5%の金利だと、1,000万円借入額が増える(減る)と利息の負担は90万円増える(減る)。」

と理解できます。

0.1%の金利を感覚だけで考えるのではなく、このように実数値で見るようにすることで、金利を比較する時に、実感を持って判断できるようになります

事務手数料

住宅ローンを借りる際は、事務手数料と保証料も重要になります

事務手数料は、その名の通り銀行の収益として吸収されるものです。

「借入額の2.2%」などのように借入額に応じて金額が決まるものや、「一律33万円」のように、手数料を固定している銀行もあります。

借入額が大きい方は、手数料が固定されているタイプが有利な場合があります

例:1億円を借り入れる場合

事務手数料2.2%の場合

1億円 × 2.2%=事務手数料負担額220万円

→ 事務手数料は固定33万円の銀行の方が安い

保証料

一方、保証料とは住宅ローンの契約者(借り手)が保証会社に支払う費用です。

保証会社に保証料を払うと、もし契約者が経済的な理由でローンの返済ができなくなってしまった場合は、保証会社から銀行にローンの返済が行われるようになります。

これを代位弁済と言います。

一見、契約者にとっても安心できる制度に見えますが、そうではありません。

保証会社は代理で銀行に住宅ローンの返済を行った後に、契約者に返済を請求します。

契約者としては、返す先が銀行から保証会社に変わっただけなので、債務を免れたわけではありません。

銀行としては、不良債権を防止できるというメリットがあり、保証会社との契約を住宅ローン実行の条件にしている場合があります

住宅ローンの借り手にとっては、特にメリットがあるわけではないので、できれば保証料は払いたくありません。

しかし、契約者としては住宅ローンを借りるために仕方なしに保証料を負担しているというのが現実です。

最近はインターネット銀行を中心に保証料なしで、融資契約ができるケースは増えています

保証料は事務手数料と違い、繰り上げ返済を行うと不要になった分が戻ってきます

団体信用生命保険を比較する

団体信用生命保険を比較する

ここまで見てきたとおり、金利、手数料、保証料の負担額を合計することで、銀行を比較しやすくなります

ただ、実際に銀行のウェブサイトに備え付けてある住宅ローンシミュレーションを行ったり、金利や手数料を足し合わせて比較すると3、4社程度が肩を並べるということは珍しくありません。

契約者の負担する金額面での条件が近似の銀行が複数存在する場合、次の比較の基準になるのが団体信用生命保険です。

団体信用生命保険は、通常は手数料がかかりません

最近は現行同士の競争原理が働いてさまざまな商品が売り出されています。

しかし、商品によっては住宅ローンの金利が上がってしまう場合があるので注意が必要です。

金利上乗せがないタイプ

金利の上乗せがないタイプの団体信用生命保険では、大抵の銀行で死亡と高度障害の保証がついています。

契約者に万が一のことがあった場合、残債がなくなり、遺族に住処を残せるということです。

最近はインターネット銀行を中心に、金利上乗せなしで

「ガンになったら残債が半分になる。」

「入院等の就業不能時は、毎月のローン返済を保険がカバーしてくれる。」

などのうれしい保証がついている商品も多数存在します。

金利上乗せがないタイプで、医療保障がついているタイプを探すと良いでしょう

金利上乗せがあるタイプ

団体信用生命保険には、住宅ローンの金利に0.1%~0.3%程度の利率を上乗せするタイプがあります

このようなタイプは「ガンと診断されたら残債がなくなる。」といったように保証が非常に手厚い傾向があります。

金利上乗せ型を利用するか否かの判断基準として、先ほどの金利の考え方が役に立ちます。

金利の負担額をまず計算することで、保証の価値を検討しやすくなります。

わかりやすくなります

0.3%の金利上乗せタイプの場合

例えば、5,000万円の35年ローンに 0.3%の金利上乗せタイプの団体信用生命保険に加入したとします。

その場合の金利負担は次のような計算で求められます。

先ほどの計算では、借入額5,000 万円、金利0.1%、返済期間35年の住宅ローンの利息負担額 は90万円でした。

金利0.3%の場合の利息負担額:90万円 × 3=270万円

つまり、35年で270万円の保険料を払っているということです。

この保険料は、健康なままであれば掛け捨てになります。

見方を変えれば、270万円を払って病気になることに賭けをしている、という風にも見えます。

住宅ローンは、現役時代に返済の大半を終えます。

大病を患いやすいのは、ローン返済が終わった老後です。

ところがこの保険は、老後には終了しています。

本当にこのような保険が必要なのか、よく考えてみましょう

銀行の比較は軸と順番を持って行う

住宅ローンの選択で大切なことは、金利と手数料と保証料の実数値を足し合わせた数字で比べることです。

そして、支出面で似通った商品をいくつか並べて、最後は団体信用生命保険の内容で絞り込むと良いでしょう。

金利の上乗せのない商品でも十分に医療の保障がついている商品があることは念頭におきましょう。(執筆者:1000人以上に資産運用アドバイス 遠藤 功二)