毎年10月に最低賃金が変更されるのですが、今年も10月から全国の最低賃金が改定されました。

新型コロナの影響などもあり、「北海道」「東京都」「大阪府」「京都府」「静岡県」「広島県」「山口県」など7都道府県は据え置いたものの、その他40県では1~3円引き上げられました。

時給でもらっている方なら分かりやすいのですが、自身の給与が最低賃金を上回っているのかを確認されたことはあるでしょうか。

意外にも月給でもらっている方は最低賃金を下回っている場合が少なからずあるのです。

そこで今回は、最低賃金の計算方法について解説します。

最低賃金

2020年の最低賃金額

地域別最低賃金の全国一覧が厚生労働省のホームページにあげられています。

参照:厚生労働省

【注意点】

すべての都道府県が10月1日から改定ではなく、発効年月日が異なります

お勤めの会社の都道府県で確認してください。

最低賃金の計算方法

ここからは、ご自身の給与が最低賃金額以上かどうかを確認する方法を解説します。

時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

この場合には非常に簡単で、時間給と最低賃金額を比べて上回っていればよいということです。

日給制の場合

日給 ÷ 1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額

日額を1日の所定労働時間で割って1時間当たりの時間給を計算し、最低賃金額と比べて上回っていればよいということです。

日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

日給≧最低賃金額(日額)

日額と最低賃金額を比べて上回っていればよいということです。

月給制の場合

月給 ÷ 1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

月給を1か月の平均所定労働時間で割って1時間当たりの時間給を計算し、最低賃金額と比べて上回っていれば問題ありません。

具体例

具体的な計算例を見ていきましょう。

【前提】

東京都で働くAさん

月給の内訳:
基本給15万円、職務手当3万円、通勤手当5,000円

支給額:
10月は時間外手当が3万5,000円支給され、合計が22万円

労働日数・時間:
年間所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間

東京都の最低賃金:
時間額1,013円

賃金が最低賃金額以上となっているかの計算方法

まず、通勤手当と時間外手当は、最低賃金の対象外なので除きます

22万円 -(5,000円 + 3万5,000円)= 18万円

18万円を時間額に換算し、最低賃金額と比較すると、

(18万円 × 12か月)÷(250日 × 8時間)= 1,080円>1,013円

となって、最低賃金額以上であると分かります。

最低賃金額以上であるか確認

出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額 ÷ 賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数≧最低賃金額(時間額)

賃金の総額を総労働時間で割って1時間当たりの時間給を計算し、最低賃金額と比べて上回っていれば大丈夫です。

上記の組み合わせの場合の具体例

いろいろなパターンがありますが、日給制と月給制の組み合わせの場合を説明します。

【前提】

東京都で働くBさん

基本給が日給制:
1日あたり6,400円

各種手当が月給制:
職務手当2万5,000円、通勤手当5,000円

支給額:
10月は20日間働き、合計が15万8,000円

勤務日数・時間:
Bさんの会社は、年間所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間

東京都の最低賃金:
時間額1,013円

賃金が最低賃金額以上となっているかの計算方法

まず、通勤手当は、最低賃金の対象外なので手当の合計額から除きます。

3万円 – 5,000円 = 2万5,000円

基本給(日給制)と手当(月給制)のそれぞれを時間額に換算して合計すると、

基本給の時間換算額:6,400円 ÷ 8時間/日 = 800円/時間
手当の時間換算額:(2万5,000円 × 12か月) ÷ (250日 × 8時間)= 150円/時間
合計の時間換算額:800円 + 150円 = 950円<1,013円

となり、最低賃金額を下回っていることが分かります。

月給制の人も確認しましょう

今年は新型コロナの影響で、最低賃金については据え置きやわずかの引き上げになりました。

これまで政府は「年率3%程度」引き上げていくと示していて、2019年10月には過去最高の大幅な引き上げが行われました。

会社も昇給等で月給を上げているものの、どんどんと上がっていった最低賃金額に追いつけずに月給制の賃金が最低賃金額を下回っているケースが見られます。

まずはご自身でチェックして、もし下回っているようであれば会社に伝えましょう。(執筆者:社会保険労務士 望月 葵)