老後資金の不足に対し、資産運用で備える必要があると、コロナ禍により一時的に株価が下落したタイミングで30代の資産形成世代が株式投資に動くなど、活発な投資が行われています。

資産運用を併用した資産形成では、大きなコストとなる所得税などへの対策が欠かせません。

NISA(少額投資非課税)制度は年間一定額までの投資額に対して得られた資産運用による利益にかかる約20%の税金を非課税とさせる強力な税制優遇制度です。

しかし、NISA制度は2023年の時限措置であるため、間もなく期限を迎えてしまいます。

今後の制度の在り方について議論が活発になってきました。

今回は2024年以降のNISA制度についての解説します。

新制度の仕組みを解説

新NISA制度は、積立とスポット購入の2階建てに

2024年以降、NISA制度は現行のつみたてNISA制度と新たに始まる新・NISA制度のどちらかを選択します

つみたてNISA現行のまま、長期積立・分散投資に適した投資信託への年間40万円まで投資ができ、20年間の非課税期間が設定されています。

新・NISA2つの投資上限額が設定された2階建て構造で、1回部分はつみたてNISA同様の運用ルールで、年間20万円まで投資することが可能です。

2階部分は上場株式や株式投資信託など現行のNISA制度に近い金融商品での運用が可能です。

こちらは年間102万円まで投資を行えますが、2階部分の利用には原則1階部分で積立投資を行う必要があります

非課税期間は5年間となっていますが、1階部分は終了後はつみたてNISAに移行させることも可能となっています。

また、NISA制度では認められていた、上場株式のうち、原則1か月後に上場廃止となる整理銘柄や3倍ブル(価格上昇幅が約3倍となる)といったレバレッジを組み入れた投資信託は新・NISAでは利用できません

新・NISAへの移行は取得価額の変化に注意

NISA制度を利用している場合は、新・NISA制度への移行時に全額ロールオーバーすることが可能です。

しかし、ロールオーバーする額が122万円を超えている場合は、その年はあらたな投資を行えません

新・NISAへのロールオーバーを行わない場合や、新・NISAには移行できない金融商品は、特定口座に払い出され以後非課税枠を利用できません

また、その際の取得価額は払い出された時点での時価となるため、NISA制度で100万円で購入した金融商品が特定口座に払い出された時点の時価が50万円出会った場合、取得価額は50万円と判定されます。

その後、金融商品の価格が100万円まで上がったのを機に売却した場合、50万円の利益が出たと判断されますので、利益に対し約20%である10万円の課税が行われます

手続きを行わない場合は、特定口座に払い出されてしまいます

現在損失を抱えている方はロールオーバーの手続きを忘れず、除外される金融商品を取引されている方で利益が出ている場合は非課税期間内に売却することをおすすめします。

取得価額の変化に注意

新・NISAではより多くの人が利用しやすい制度に

今回の新・NISAではハイリスク・ハイリターンな投資方法が除外され、リスクを抑えた長期的な投資が行えるよう微調整が行われた印象です。

NISA制度は導入から歴史が浅いため、今後も使いやすいよう更新が行われていくと推測されます。

資産運用では各種NISA制度を賢く利用できるか否かでパフォーマンスに大きな差が出る可能性があります。

制度変更時は都度情報を確認していくとよいでしょう。 (執筆者:菊原 浩司)