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【2022年4月~施行】「厚生年金保険」「健康保険」の適用範囲拡大 現状維持と変更点を解説

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【2022年4月~施行】「厚生年金保険」「健康保険」の適用範囲拡大 現状維持と変更点を解説

令和2年5月29日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金制度改革関連法)」が成立し、6月5日に公布されました。

この改正は、2022年4月1日から順次施行されていきます。

この改正法の中の1つに、被用者保険「厚生年金保険」「健康保険」)の適用範囲が徐々に拡大されるという改正があります。

今回は、この被用者保険の適用範囲の拡大について詳しく解説していきます。

「被用者保険の適用範囲の拡大」の目的と範囲

【2022年4月~施行】「厚生年金保険」「健康保険」の適用範囲拡大 現状維持と変更点を解説

被用者保険の適用拡大の目的

短時間労働者の被用者保険への加入人数を増やすことなどにより、多様な就労を「年金制度」に反映させることを目的としています。

被用者保険の適用拡大の範囲

現状の短時間労働者の被用者保険への加入条件を見ていきましょう。

現状の短時間労働者の被用者保険への加入条件

現状、パートなどの短時間労働者が「厚生年金保険」や「健康保険」に加入するには、次の条件を満たす必要があります。

(1) 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が常時雇用者の3/4以上であること

(2) 以下の短時間労働者の要件の全てに該当すること

労働時間要件

所定労働時間が週20時間を超えていること

賃金要件

月給が8万8,000円(年収106万円)以上であること

勤務期間要件

1年以上継続して適用事務所に勤務する見込みがあること

学生除外要件

学生でないこと

企業規模要件

従業員規模が501人以上の事業所に勤務していること(従業員500人以下の事業所は労使の合意があること)

年金制度改革関連法により変更される短時間労働者の被用者保険への加入要件

変更される被用者保険への加入要件

では、年金制度改正後に要件がどうなるのかを見ていきましょう。

労働時間要件

週所定労働時間20時間以上で現状維持

賃金要件

月額が8万8,000円(年収106万円)以上で現状維持

勤務期間要件

1年以上継続して適用事務所に勤務することを撤廃して特に条件なしに変更

学生除外要件

学生でないことで現状維持

企業規模要件

従業員数500人超を段階的に引き下げます。

2022年10月~従業員数100人超規模に引き下げ。

2024年10月~従業員数50人超規模に引き下げ。

現状の被用者保険の適用事業所(強制適用事業所)

法人事業所の場合には、業種や従業員規模に関わらずすべての事業所が被用者保険の適用事業所です。

個人事業所の場合には、法定された16の業種のいずれかに該当して常時5人以上の従業員を使用する事業所が被用者保険の強制適用事業所になります。

年金制度改革関連法により変更される被用者保険の適用事業所(強制適用事業所)

個人事業所の強制適用事業所の法定16業種に、年金制度改革関連法により2022年10月から次の10の士業が追加されます。

・ 弁護士
・ 司法書士
・ 行政書士
・ 土地家屋調査士
・ 公認会計士
・ 税理士
・ 社会保険労務士
・ 弁理士
・ 公証人
・ 海事代理士

該当する人は働き方を考えてみる

年金制度改革関連法により社会保険の適用範囲が拡大されます。

被用者保険に加入していなかった人が加入することになり、今まで払っていなかった「健康保険料」や「厚生年金保険料」を払うようになる可能性があります。

この改正は2022年4月から順次施行されるため、該当する人はそれまでの間に働き方を考えてみるとよいでしょう。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

《小島 章彦》
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執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦 小島 章彦

大学を卒業後、信用金庫に8年、システム開発の会社に約20年勤務。その傍ら、資格を生かした年金・労働・社会保険や、今まで携わってきた金融関係の記事を主にライティングしています。「分かりやすく理解していただく」をモットーに執筆しています。 【保有資格】社会保険労務士、行政書士、日商簿記3級 寄稿者にメッセージを送る

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