「親の遺言で、保証人にだけはなるなと言われている」

友人などに保証人になってと依頼された際に断る常套句かもしれません。

この時の「保証」は「連帯保証」を指しているといって間違いありません。

しかし、人生において保証人にならざるを得ない場合もあります。その意味と注意すべきポイントを知っておきましょう。

【連帯保証人】 その意味と注意すべき 「3つのポイント」

保証契約≒連帯保証契約

保証とは、金銭等の債務者が債務を返済しないときに、代わりの者が返済する責任を負うこと(民法446条)を言い、債権者と保証人が直接契約を結ぶことで成立します。

普通の保証契約では、債権者に返済しろと言われた保証人は「まず債務者に言って」と請求したり(催告の抗弁・同452条)、「債務者は返済できる資力があるから私は払わなくていい」と突っぱねたり(検索の抗弁・同453条)できます。

しかし、これでは保証人を立てた意味があまりないことから、現代においては保証契約は抗弁ができず、債務者と同等の責任を負うことを約束する連帯保証契約となっているのです。

連帯保証契約で注意すべき3つのポイント

ここからは、連帯保証契約で注意すべきポイントを見ていきましょう。

1. 契約は必ず「書面」で

自分の債務でもないのにこのような責任を負わされるのですから、連帯保証(以下、単に「保証」とします)契約はきちんと書面で交わすのは当然だと思うことでしょう。

ところが、「書面でなければ無効である」との規定が民法にできたのは平成16年と、意外と最近の話なのです。

それまではたいして考えることなく口約束で保証人になることもあり得たわけです。

書面といっても、保証内容がきちんと書かれ、かつ保証人となるものの自筆署名と押印があるもの、すなわち熟考したうえで納得して契約したと認められる契約書でなければ、裁判で契約成立とされることは難しいようです。

2. 保証には限度額がある

さらにはこの度の民法大改正で、令和2年4月から連帯保証人の責任の範囲と保証すべき限度額を事前に定めなければならなくなりました

「本契約による債務者の一切の債務を負担する」責任を負う必要はなくなったのです。

合わせて債務者は保証人に対して自分の財産や他の債務の有無やその支払い状況などの情報を提供する義務が課され、もし

その情報が正しくなく、かつ債権者もその不正を知っていて保証人に告げなかった場合(あるいは不正を知らなかったことに過失があった場合)、保証人は保証契約を取り消すことができる

ようになりました。

保証人になったことで思いがけずに債務を背負い苦労したという話はよく聞きますが、これらの法改正で多少なりともそういう方が減ってくれればと切に願います。

住宅ローンの連帯保証人

3. 保証人となってしまったら

しかしながら、どうしても保証人にならざるを得ない場合があります。

親が子の賃貸借契約の際保証人となることもよくありますが、最も身近なのは住宅ローンで、契約者が夫、妻が連帯保証人となるケースでしょう。

このケースでは離婚が決まり、ローンの残った自宅に妻が住むとなった場合に問題となります

ローンの支払いを約した公正証書を作成する、ローンを借り換えて新たな保証人を夫に立ててもらうなどの方法があります。

保証とは人の債務を自分が負うこと

いずれにせよ「保証とは人の債務を自分が負うこと」であるという認識を絶対に忘れずに、曖昧にしたまま放っておかないことが大切です。(執筆者:行政書士 橋本 玲子)