貯蓄を目的とする保険の代表的なものとして、個人年金保険があります。

年金なので、年間いくらを何年間で受取るか、そのために何才まで保険料を積み立てるか、などを決めて加入します。

しかし20年、30年、さらにはもっと遠い未来にお金を受取るのです。

実際に受取りが迫った時に、別の受取り方がいいという状況になったとしても、不思議はありません。

個人年金保険にはそれに対応できる柔軟さがありますが、それに伴い税金も変わってきます

契約者が受取り方を変えたいと考える理由に税金対策がある可能性もあると思います。

ここでは受取り方によって変わる個人年金保険の税金について解説します。

個人年金保険

年金として受取る場合

年金として受取る場合、年金は「雑所得」です

しかし受取る年金額全部に税金がかかるのではなく、課税対象となる雑所得は以下の計算式で求めます

雑所得 = 総収入金額 – 必要経費 

 
必要経費とは以下の計算式で求めた金額です。

必要経費 = 年金年額 × 払込保険料総額 ÷ 年金受取総額

60万円を10年間受取る契約で、払込んだ保険料の総額を500万円として計算してみます。

必要経費 = 60万円 × 500万円 ÷ 600万円 = 50万円

従って雑所得は、60万円 – 50万円 = 10万円です。

一括で受取る場合

一括で受取るお金は、「一時所得」となります。

一時所得の計算式は、

一時所得 = 総収入額 – 保険料総額 – 特別控除額(最高50万円)

同じ年に他にも一時所得がある場合、一時所得は年ごとに合計され、それらの合計金額に対して最高50万円の控除です。

個人年金保険の一括受取りは積み立てが終わったタイミングですが、受取リ時期をずらせる他の一時所得があるなら、同じ年に重ならないようにする事も節税には有効です。

参考までに、一時所得になるものの一例をご紹介します。

・ 保険契約の満期保険金・満期返戻金・解約返戻金

・ 法人から贈与された金品

・ 競馬や競輪などの払戻金など

・ クイズの賞金品(宝くじの賞金品は非課税)

さらに、課税対象となる一時所得は、上記で算出した金額の1/2です。

10年で総額600万円受取る年金というのは、「積み立て期間+受取り期間10年」の間、保険会社が運用して見込める金額を契約者が10回に分けて受取るという事なので、それを一括で受取るとなると、受取り額は600万円より少なくなる事をご留意ください。

くじなどで当たったお金は一時所得

死亡保険金にもなる

年金受取りをしている契約者が、受取り期間の途中で死亡した場合、受取る事のできなかった年金は死亡保険金になります

ただし、受取り期間10年の契約なら10年で増える額を見込んで年金額は決められています。

死亡保険金となった場合、その金額は「残りの年数 × 年金額」より若干少なくなるとお考えください。

年金ではなく死亡保険金となったお金は、死亡保険金として受取人に課税されます(控除等あり)。

所得税の申告

個人年金保険の受取り開始時に、公的年金を受取っている人もいるでしょう。

公的年金が年額400万円以下、かつ年金以外の所得が20万円以下なら所得税の申告は不要ですが、どちらか一方でも制限を超えれば、所得税の申告が必要です。

人生100年と言われる今、生活費のために、あるいは健康のために長く働く(給与所得となる)、または一時所得があった、となると、それらの所得は公的年金以外の所得として全て合算されます。

そしてこの合計が20万円を超えると、所得税の申告が必要です。

詳しくは税務署に聞いて頂きたいのですが、税金だけが増える気がして、なかなか悩ましいです。(執筆者:金澤 けい子)