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確定申告が必要な理由とは どんな人が得をするのかも解説

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確定申告が必要な理由とは どんな人が得をするのかも解説

毎年、2月中旬~3月中旬は確定申告の時期です。

確定申告と聞くと、「めんどうくさい」「よくわからない」と感じる人が多いのではないでしょうか。

そもそも、確定申告は何のためにするのでしょう。

実は、確定申告が必要な理由は、人によって異なります。

しなければいけない人もいれば、することで得をする人もいるのです。

今回は、確定申告が必要な理由と、どんな人が得をするのかについて詳しく解説します。

得をする人って どんな人?

確定申告は、なんのためにするのか

生活をしていると、さまざまな場面で納税をしています。

最もわかりやすいのは消費税でしょう。

買い物をするたびに、自動的に徴収されています。

たばこ税や酒税なども同様で、対象物の購入価格に納税分が含まれています。

一方で、1年分の所得をまとめて税額を計算し、申告しなければならないものがあります。

それが、贈与税や相続税、そして所得税です。

確定申告では「所得を確定」させて、税額を申告する

所得税とは、その名の通り「所得」に対してかかる税金です。

毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得に対して所得税はかかります。

一般的には、会社員の給与所得や自営業者の事業所得、賃貸業による不動産所得や株式投資などの運用利益(譲渡所得や配当所得)などが挙げられます。

年金収入(公的年金等の雑所得)にも、税金はかかっています。

働き方は人それぞれです。

給与収入のみの人もいれば、副業を持っている人、投資運用をしている人もいるでしょう。

あるいは、たまたま臨時収入があった人、相続した親の家を売った人なども考えられます。

確定申告では、それらをすべて計算しなければなりません

所得から控除する作業が大切

所得税には控除制度があります。

日本では、所得すべてに税金をかけるのではありません。

計算した所得をいったん合計した後、その人の事情に応じた所得控除を差し引きます。

そしてその残額(課税所得金額)に税率を乗じて所得税額を算出するのです。住宅ローン控除などの税額控除があるなら、いったん算出した所得税額から差引き、最終的な所得税額を確定させます。

なお、こういった所得控除や税額控除は申告しなければ適用されません。

年間の所得額と所得税額を「確定」させて「申告」するのが、確定申告の目的です。

会社員は年末調整でおこなえる

払いすぎた税金の還付を受けられる

年収のめどが立つ会社員への給与・賞与は、ざっくりと計算した所得税が天引きされた後の残額が支払われています。

この「税金を天引きするシステム」を「源泉徴収」と言います。

しかし、この源泉徴収税額は所得額と扶養親族から計算されます。「どんな家族を扶養しているのか」といった個々の事情までは考慮されていません。

そこで、「生命保険料控除」「地震保険料控除」や「扶養控除」などを反映してもらうために、年末調整をおこなうのです。

つまり、会社員の場合は、確定申告の代理業務を会社がおこなってくれているようなものです。

そのため、この年末調整で完結するなら会社員やバイト・パートの人には確定申告は必要ありません。

ただし、医療費控除や雑損控除といった控除があるなら、確定申告をすることで一部の税金が還付される可能性があります。

この他、副業での所得の合計が年間20万円を超えるなら確定申告をしなくてはなりません。

働き方によって確定申告が必要な理由は違う

会社勤めなのか、自営業・フリーランスなのか、家族構成はどうなっているのか、特別な利益や出費はあったのかなど、人それぞれの事情によって、確定申告をする理由が異なります。

確定申告が義務の人もいれば、義務ではないけれど「すると得をする」人もいるのです。

自営業の人は、税額を申告するため

「個人事業主として事業をしている」「不動産オーナーである」といった自営業の人は、原則として毎年確定申告をしなくてはなりません。

自ら計算・申告することで1年間の所得とそれに対する税額を確定するのです。

総収入金額から必要経費を差し引き、各種控除を適用して「1年間の課税所得額」を算出するのです。

課税所得額に税率を乗じるなどしていったん所得税額を算出し、さらに税額控除を適用して1年間の所得税額を確定させます。

自営業だと通常、納税になりますが、源泉徴収や予定納税などですでに納めた税金があるなら還付される可能性があります。

フリーランスの人は、支払いすぎた税金を返してもらうため

フリーランスの人は、働き方によってさまざまです。

「給与所得」と「事業所得」「雑所得」、「源泉徴収されているか否か」などが混在しているという場合もあるでしょう。

源泉徴収の対象でない事業所得や雑所得が多いのなら、適切な税額を算出して納税しなければなりません。

「源泉徴収された報酬が多い」「予定納税をした」という場合は、確定申告をおこなうことで、払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります。

会社勤めの人も、申告することで節税できる

控除制度の中には、年末調整では扱えないものもあります

医療費控除や雑損控除、1年目の住宅ローン控除がこれに該当します。

その場合は、別途確定申告が必要です。

また、年の途中で退職した人や年末調整に修正がある人、年末調整に提出しそこねた控除資料がある人なども、確定申告することで、払いすぎた税金の還付を受けられます。

申告しなければ適用されない税制優遇制度

次に紹介するような税制優遇制度は、きちんと申告することで所得税や住民税の課税所得を減らす効果があります。

忘れずに申告しましょう。

申告しなければ適用されない税制優遇制度

1. 住宅ローン減税制度

原則として毎年の住宅ローン残高の1%を、10年間にわたって所得税から控除するという制度です。

新築住宅だけでなく、中古住宅の購入も対象です。

また、増築・リフォームでも対象となる場合があります。

年末調整でも控除を受けることができますが、初回(入居した翌年)は、確定申告が必要です。

控除額=住宅ローン残高 × 1%

参照:国土交通省 

なお、最近住宅を購入し、住宅ローン控除を受けるようになったのであれば、国税庁の情報をきちんと見た方がよいでしょう。

最近の住宅ローン控除の制度は少し複雑になっているからです。

参照:国税庁「住宅借入金等特別控除」

2. 医療費控除

医療費控除は年間に支払った医療費を所得額から差し引くというものです。

ただし、全額が控除の対象になるのではありません。

「年間の医療費合計額-10万円又は総所得金額等×5%のいずれか低い額」が所得額から差し引かれます。

しかし、配偶者や扶養家族分もまとめて控除できます。ひとりひとりは少額でも合算すると多額になるなら、念のため確認しておきましょう。

控除額=(1年間で支払った医療費総額-保険金等で補填される額)-10万円※

※総所得金額等(所得の合計)が200万円未満の場合は、総所得金額等×5%

3. ふるさと納税

ふるさと納税では、原則として任意の自治体に寄附をおこなった際に、2,000円を超える部分全額が所得額から控除されるしくみです。

ただし、所得や家族構成によって控除を受けられる上限金額があります

また、ふるさと納税「ワンストップ特例制度」を利用している場合は、確定申告は不要です。

しかし、医療費控除などで確定申告をするなら、ふるさと納税分も申告する必要があります。

控除額(所得税)=(ふるさと納税額-2,000円)× (所得税率+所得税率×復興特別所得税率)

控除額(住民税・基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)× 10%

控除額(住民税・特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%-所得税率-所得税率×復興特別所得税率)

参照:ふるなび

4. 小規模企業共済等掛金控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)を積み立てている人は、申告をおこなうことで積立金全額を所得額から控除ができます。

会社員の場合は、年末調整でもおこなえます

控除額=iDeCo掛金全額

参照:国税庁

この他、個人事業主と経営者のみが加入できる小規模企業共済もこの所得控除に該当します。こちらも年間の掛金全額を所得額から差し引けます。

めんどうな手続きでも、おこなうだけの価値がある

所得控除をすると1年間の所得額が減ります。課税所得額を減らすと節税につながります。

税金は納めなくてはいけないものですが、所得控除前より払う額が少なくなるのです。

源泉徴収や予定納税で払い過ぎてしまった税金があるなら、確定申告を行い、還付してもらいましょう。(執筆者:仲村 希 税務監修:税理士 鈴木まゆ子

《仲村 希》
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仲村 希

国内大手保険会社にて生命保険募集人と損害保険代理店を兼務、外資大手生命保険会社では顧客相談室クレーム対応係に着任。たくさんのお客様のお話をうかがって、保険に対する誤解が根深いことを痛感しました。退職後は「保険ってわからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険記事の執筆を開始。ファイナンシャルプランニング2級技能士。 寄稿者にメッセージを送る

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