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【就業不能保険】の必要性を考える 「必要な人」と「不要な人」、効果的な利用方法を解説

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【就業不能保険】の必要性を考える 「必要な人」と「不要な人」、効果的な利用方法を解説

「就業不能保険」は、画期的な保障だと絶賛する人がいる一方で、やはり「公的保障があれば、不要だ」という人もいます。

今回は、就業不能保険ついて、実際に生命保険業務に携わっていたFPの視点で検証し、必要な人・不要な人について説明します。

「就業不能保険」とは

「就業不能保険」とは

「就業不能保険」は、病気やケガの療養で「仕事ができない状態」の場合に給付金が支払われる保険です。

・ 一時金タイプ
・ 毎月支払われるタイプ
・ 年金タイプ

などがあり、支払期間もあらかじめ指定した期間のものもあれば、一生涯保障までとさまざまです。

「特化型」や「万能型」など保険会社によって特徴が異なる

一般的に「就業不能保険」では「仕事に就けない状態が一定期間継続していること」が、支払基準に含まれています。

そのため、60~90日程度の待機期間が設けられているものも多くあります。

しかしながら、中には待機期間が2週間~30日程度と比較的短いものもあります

また、

・ 精神疾患を含めた就業不能状態を保障するもの

・ ガン治療中の自宅療養を保障するもの

など、保険会社ごとに特徴を持った商品を扱っています。

「就業不能保険」が不要だとされる4つの理由

「就業不能保険」を不要だという人は、次の公的保障を理由に挙げることが多いようです。

まずは、どのようなときに受け取れるものなのかを検証してみましょう。

理由1:高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の負担軽減を目的としている制度です。

日本は、原則的にすべての人が健康保険制度に加入しています。それによって、医療機関・薬局等の窓口負担額が1割~3割に軽減されています。

それでも医療費が高くなってしまった場合に、一定額以上の負担をせずに済むのが高額療養費制度です。

負担額上限は世帯収入によりますが、一般的な会社員世帯では約8万円程度を上限額としています。

参照:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ (pdf)

しかしながら、高額療養費制度は、自宅療養していて医療費が発生しないときや、何らかの後遺障害によって就業不能になった場合などには、まったくの対象外です。

理由2:公的介護保障

公的介護保障については以前もお話しましたが、介護状態になった際に支援金を受け取れるものではなく、介護サービスを利用した際に負担額が軽減されるといったタイプの保障です。

また、原因を問わず利用できるのは65歳以上に限られており、40歳~64歳までは特定の病気による介護状態にある方のみ、39歳以下は一切利用できません。

仕事を持っている世代の人が、就業不能状態の保障として利用できるようなものではありません


理由3:障害年金

「障害年金」は、病気やケガで障害状態になった場合に支給される年金です。障害等級表の1・2級に該当する重い状態でなければ対象になりません

たとえば、ガン治療のために自宅療養しているといった状況で受け取れるものではありません。

理由4:傷病手当

傷病手当金とは、病気やケガの療養のために就業ができないときに平均給与の2/3額を受け取れるという制度です。

ただし、連続4日以上休んだ場合で、はじめの3日間は待機期間として支払対象外です。

傷病手当は、病気やケガの療養であることが認められれば、入院の有無や療養のかたちを問われません。自宅療養でも支払われます。

ただし、支給される期間には1年6か月までという上限があります

一方で、「就業不能保険」には14日~90日程度の待機期間があります。

「傷病手当金」と「就業不能保険」の併用が効果的

療養のはじめには「傷病手当」を受け取り、「就業不能保険」が出るようになったら併用するという手段がおすすめです。

「公的保障か。就業不能保険か」の二者択一にする必要はありません。どちらも利用することで、隙間のない保障を得られるのです。

「就業不能保険」が必要な人・不要な人

「就業不能保険」が必要な人・不要な人

「就業不能保険」と公的保障では、カバーする範囲が異なることがわかりました。また、併用することで保障が安定するということもお伝えしました。

やはり必要な人、それでも不要な人とは、どのような人なのでしょうか。

必要な人:働く世代と自営業の人

「就業不能保険」は、働いていることが前提の保険です。一家の生活を担う働く世代には、必須の保険だと言えます。

特に、「傷病手当金」の出ない自営業の人は、保障を手厚くしておくことをおすすめします。

また、精神疾患を対象とした「就業不能保険」を持っておくだけでも安心できるという人もいることでしょう。

さまざまな「働けない状態」を保障できるのも「就業不能保険」ならではです。

不要な人:働く世代を卒業した人や貯蓄が十分にある人

働く世代を卒業した人には「就業不能保険」は必要ありません。収入を補償する必要がないからです。

また、働く世代であっても、今後一切働かなくても十分に生活できる資金を持っている人や家賃収入などの不労所得で生活を賄える人などは、就業不能状態に備える必要はありません。

さまざまな種類があるからこそ、ライフスタイルに合わせられる

死亡保険は、亡くなってしまったときの保障です。ガン保険は、ガンと診断されて治療するときの保障です。これらは、保険の名称からもどのような時の保障なのかが分かりやすい保険です。

一方で、「就業不能」には誰にでも分かりやすい基準がありません。そのことが保険会社ごとに特徴を持たせることになり、幅広いラインアップにつながっています。

だからこそ、自分のライフスタイルに合わせた選択ができると言えるのではないでしょうか。(執筆者:仲村 希)

《仲村 希》
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仲村 希

仲村 希

国内大手保険会社にて生命保険募集人と損害保険代理店を兼務、外資大手生命保険会社では顧客相談室クレーム対応係に着任。たくさんのお客様のお話をうかがって、保険に対する誤解が根深いことを痛感しました。退職後は「保険ってわからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険記事の執筆を開始。ファイナンシャルプランニング2級技能士。 寄稿者にメッセージを送る

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