所得税は1年間の所得金額に対して課せられます。

年間の所得が1社からの給与のみであり、会社が年末調整をしてくれているケースにおいては、原則として確定申告をする必要はありません。

しかし、給与所得以外に臨時収入を得ている場合には確定申告をしなければいけないケースもありますので、今回はうっかり忘れやすい所得を紹介します。

不動産の売却益は譲渡所得税の対象

【確定申告】 「不動産・株式の売却益」「満期保険金」は 所得税の対象です

不動産を売却した場合、譲渡所得税の対象です。

譲渡所得税は不動産の売却益に対して課されるので、購入した金額よりも売却金額が低い場合には利益は発生しませんので、譲渡所得税は課されません

譲渡所得の計算

【譲渡所得の計算式】
売却金額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額 = 譲渡所得

相続した田舎の土地を売却した場合、相続によって取得した不動産の取得費は先代からその土地を購入した金額を引き継ぎます。

ただし、先代が売却不動産をいくらで購入したのかが分からない場合には、引き継げる取得費がありませんので、売却金額の5%を概算取得費として譲渡所得を計算します。

概算取得費を用いると、ほとんどのケースで計算上の売却益が発生しますので、確定申告により譲渡所得税を納めなければなりません。

また、共有名義で相続した不動産を売却した場合には、所有者ごとに確定申告が必要ですのでご注意ください。

証券会社の特定口座で源泉徴収有を選択していない

証券会社に株式を預けている場合に特定口座の源泉徴収有を選択していると、証券会社が年間の株式の売買を計算して利益に対する税金を納めてくれますので、原則として確定申告は不要です。

しかし、特定口座でも源「泉徴収をしない」選択をしている場合には、証券会社は売却益についての税金を支払いませんので、確定申告手続きが必要です。

また、普通口座に預けている株式を売却した際には、売買の損益も自分で計算しなければなりません。

株式の売却損については申告しなくても大丈夫ですが、譲渡損失の繰越控除は確定申告しなければ適用されません

生命保険の満期による支払金も課税対象

生命保険の満期による支払金も課税対象

生命保険契約が満期になって保険金が支払われた場合、受け取り方によって所得の対象が変わります。

満期保険金を一括で受け取った場合

満期保険金を一括で受け取った場合には、一時所得の対象です。

満期保険金から払込保険料を差し引いて、さらに特別控除額50万円を控除した金額が残っている場合の一時所得に課税されます(一時所得の対象となるのは、特別控除額を差し引いた金額を1/2した金額です)。

満期保険金を年金方式で受け取った場合

満期保険金を年金方式で受け取った場合には、公的年金等以外の雑所得の対象です。

その年分の受け取った年金の額から、その年金の額に対応する払込保険料または掛金の額を差し引いた金額が雑所得です。

なお、満期保険金を受け取った人と保険料を支払った人が違う場合には贈与税の対象ですので注意しましょう。

令和2年分の確定申告期限は令和3年4月15日

通常の所得税の確定申告期間は、対象年分の翌年2月16日から3月15日の1か月間です。

しかし、令和2年分の確定申告については4月15日までと、申告期限が1か月延長になっています(確定申告期間の開始日に変更はありません)。

臨時偶発的な収入があると確定申告手続きを忘れそうになりますが、申告漏れしやすい所得は税務署が指摘しやすい所得でもあるのです。

確定申告をしないで放置すると、申告期限後に税務署から税務調査の連絡があるかもしれませんので、期限内に確定申告書を提出してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)