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粗品さん(霜降り明星)が語った「毎月親に50万円の仕送り」は贈与税の対象になるのか

税金 相続・贈与
粗品さん(霜降り明星)が語った「毎月親に50万円の仕送り」は贈与税の対象になるのか

先日テレビ番組で、お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品さんが、毎月50万円(年間換算で600万円)仕送りしていると明らかにしました。

もちろんテレビでのリップサービスの可能性もありますが、実際に多額の仕送りすると贈与税の対象になる可能性もあります。

そこで本記事では法律を紐解き、多額の仕送りをした場合に贈与税の対象にならないのかを解説いたします。

※本記事は個別事案の見解を示すものではありません。

毎月50万円の仕送りは贈与税になるのか

贈与税の対象になるケース

贈与税の対象になるのは、財産を無償でもらったり、経済的利益を受けた場合です。

たとえばお年玉は、子どもが親や親戚から無償でもらうので贈与税の対象です。

また100万円貸した人が借金を帳消しにした場合、お金を借りた人は本来返済すべき100万円が免除されたので、100万円分の経済的利益を受けたことになります。

ただ贈与税には110万円の基礎控除額がありますので、年間でもらった贈与金額が110万円以内であれば、贈与税を支払う必要はありません。

生活費や教育費は贈与税の非課税対象

贈与税が規定されている法律は、「相続税法」になります。

相続税法第21条の3では、扶養義務者相互間における生活費や教育費に充てるための贈与は、贈与税の非課税財産としています。

生活費は日常生活をするのに必要な費用をいい、治療費や養育費も含まれます

教育費とは、被扶養者(子どもなど)が教育上必要とする学費や教材費などをいい、義務教育費だけでなく、文房具など教育に関連した費用も教育費の対象です。

注意点としては、非課税財産の対象となるのは生活費や教育費のうち、通常必要と認められるものに限られます

したがって宝石や不動産など、日常生活に必要のないものを贈与した場合は、贈与税の課税対象です。

通常必要と認められる生活費の範囲とは

仕送りしている相手を扶養にしている場合、毎月の仕送りが通常必要と認められる生活費に該当するかが、贈与税が課されるかの分岐点になります。

相続税法基本通達21の3-6によると、「通常必要と認められるもの」は被扶養者の需要と扶養者の資力などの事情を考慮し、社会通念上適当と認められる範囲の財産を対象としています。

テレビ番組では粗品さんは、月50万円仕送りをしていると言っていましたが、金額だけで贈与税の課税対象になるかは判断できません

ただし粗品さんとご家族が生計を別とし、日常生活を送るにあたり仕送りを要しない場合や、税務署が月50万円の贈与が通常必要と認められる生活費を超えていると判断すれば、贈与税が課税される可能性はあります。

それは贈与です

課税の判断は個々の事情に応じて下される

生活費に月50万円も必要とする人は、限られた人だけかと思われます。

ただ一般の人でも、治療費や介護施設に入所している場合は、高額な生活費がかかることもあるため、月50万円の金額だけで贈与税の課税対象になるとは言い切れません。

また受贈者側(もらう側)が、贈与財産を受け取る意思がなければ贈与行為は成立しませんので、仕送りしたお金に一切手を付けていなければ、贈与税が課されないことも考えられます

粗品さんの件が実際に贈与税に該当するか否かは、税務調査が実施されない限りわかりません。

ただ今後仕送りを予定されている方で、仕送りが贈与税の対象になるのか不安な方は、税務署または税理士資格のある専門家に相談してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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