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【老後資金】新年度を機に将来の計画を立て直そう サユリさん(会社員・33歳)の例で計算

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【老後資金】新年度を機に将来の計画を立て直そう サユリさん(会社員・33歳)の例で計算

新年度のスタートです。

コロナ禍ということもあり、フレッシュな気持ちで新しいスタートを切るということにならないかもしれません。

しかし、残業代や交通費が減ったり、リモートワークに伴う出費が増えたりして、お金の計画を見直したいという人も多いのではないでしょうか。

収入が減少傾向で、貯蓄しづらくなったという人も、新年度を機にお金の計画を立て直してみませんか。

新年度を機に 将来の計画を 立て直したい

お金がなかなか貯められない人の行動パターン

まず、お金がなかなか貯められない人の行動パターンを2つあげましょう。

1つは、毎月いくら使っているのか把握していないこと。

もう1つは、貯めては取り崩すを繰り返していることです。

つまりは「毎月いくらまでなら自由に使っていいのかわかっていない」ということです。

貯められる人になるにはどうすればよいのでしょう。

「残ったら貯蓄をしよう」が間違い

「今月こそ貯蓄したい」と思いながら、結局今月もお金は残りません。

「また来月から頑張ろう」と決意したけれど、気がつけばあっという間に1年がすぎていた。

このように、「残ったら貯蓄をしよう」と思っている限りなかなか貯蓄はできないでしょう。

改善するのは簡単です。

「先取り貯蓄」をすればいいのです。

ただ、実行するには強い意志が必要です。

意思だけではなく「しくみ」を作ってしまいましょう

先取りのしくみ

まずは、そもそも論からまいりましょう。

毎月のあなたの収入は、「今月使うお金」と「未来に移動させるお金」に分ける必要があります。

なぜなら、将来の自分の生活は、自分で支える必要があるからです。

あなたのことをあなた以上に心配してくれる人はいません。

今の収入は今のあなたを支えるお金ですが、同時に未来のあなたを支えるお金です。

まずこれをしっかり自覚しましょう。

未来に移動させるお金とは「貯蓄」です。

貯蓄を引いた残りが、あなたが毎月自由に使えるお金です。

では毎月自由に使えるお金とはいくらでしょう。

サユリさん(会社員・33歳)の例

毎月どのくらい貯めればいいのか

サユリさんの手取り年収は312万円です。

がんばって年間50万円の貯蓄をすることを決心しました。

まずしていただきたいのは、

「毎月ではないけれど、年に何度かまとまって必要になるわりと大きな支出」

を書き出すことです。

特別支出、臨時支出として予算立てします。

月別に整理すると簡単です。

被服代なども予算にいれておくといいでしょう。

2月 年払いで支払っている健康保険料2万円

4月 洋服代5万円

5月 行けるといいなと願って旅行代8万円

8月 帰省代4万円

9月 2年に一度マンションの更新料が必要なので半分の5万円を計上

10月 洋服代 6万円

12月 帰省代4万円と冠婚葬祭費、家電買い替え費用貯金4万円

サユリさんの臨時支出の合計は38万円です。

次に、1年間の手取り年収(税金や社会保険料を差し引いた後の給与口座に振り込まれるお金)から、年間貯蓄額と臨時支出を差し引きます。

サユリさんの場合、312万円-(50万円+38万円)で224万円です。

12月で割った18万7,000円が毎月自由に使えるお金です。

これを毎年計算します。

3つの口座でやりくり

お給料が振り込まれる生活費の口座、貯蓄の口座、臨時支出の口座はそれぞれ別に作っておきましょう。

3つの口座を保有することになります。

メインバンクとネット銀行、ネット証券口座を紐付けするなどして管理しやすい工夫をしてください

貯蓄の口座は、今後、個人型確定拠出年金(iDeCo/イデコ)やつみたてNISAで運用することも計画に入れてネット証券の口座がよいと思います。

毎月自由に使えるお金の額を守れば、貯蓄を取り崩す必要はありません

「貯めては取り崩す」から卒業できます。

臨時支出の冠婚葬祭費、家電買い替え費用貯金は使わなかった場合はそのままためておきます。

あらかじめ予算を立てているので、仮に結婚式が立て続けにあったとしても、旅行代金が多少オーバーしても、この臨時支出の口座で工面することができます。

いくら貯めなければいけないのか

さらにおすすめしたいのは、「自分がいくら貯めなければならないか」を知ることです。

この連載でもお伝えしていますが、「人生設計の基本公式」を使って、自分の必要貯蓄率を計算してみましょう。

【サユリさんの場合】

生涯の平均手取り額(Y) 500万円 老後生活費率(x) 60%

手取り年金額(P)142万円現在資産額(A) 80万円

現役年数(a) 32年 老後年数(b) 35年

サユリさんが100歳まで安心して暮らすための必要貯蓄率は21%でした。

なるほどわかってきたぞ

人生100年時代を想定しましょう

「100歳まで?」と思うかもしれません。

しかし1990年生まれの人が90歳まで生存する確率は、男性が44%、女性は69%、100歳まで女性が生きる確率は20%、5人に1人だそうです(厚生労働省の「完全生命表」「簡易生命表」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2017年推計)」より試算)。

20歳30歳代の特に女性は、人生100年時代を想定して計画を立てておきたいものです。

サユリさんが想定する貯蓄50万円だと、貯蓄率は16%です

後もう少し頑張れるといいでしょう。

ただ必要貯蓄率21%として想定する老後生活費は20万円です。

老後生活費率を50%に下げると、必要貯蓄率も18%に下がります。

つまり老後生活費率を下げると現役時代に使えるお金は増えるということです。

とりあえずは年齢や状況を考慮して、自分が実行できる必要貯蓄率を決めると良いでしょう。

これから例えば結婚して夫婦2人の収入で生活設計をすれば必要貯蓄率も変わります。

長い人生、計画の見直しは必須です。

ライフプランが変わった時はもちろん、できれば毎年1回計算をし直してください。(執筆者:CFP® 認定者 岩城 みずほ)

《岩城 みずほ》
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岩城 みずほ

岩城 みずほ

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。 <保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者 寄稿者にメッセージを送る

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