厚生年金は、適用事業所に勤務する70歳未満の会社員や公務員などに加入義務があります。

そして、厚生年金の保険料は、給与などに応じて決定され事業所と厚生年金の被保険者が折半して支払います。

同じ社会保険料である健康保険料も、厚生年金保険料と同様に給与などに応じて決定されて事業所と健康保険の被保険者が折半して支払うのです。

この厚生年金保険料などの社会保険料は給与から天引きされて支払われるため、結構高いと思いながらもあまり気にしていない人も多いと思います。

しかし、社会保険料がどのような仕組みで決定されるのかを知ることで、保険料を減らせる可能性があるのです。

今回は、4月からの給与により厚生年金保険料などの社会保険料を減らす方法について、詳しく解説していきます。

社会保険料の決定方法

健康保険・厚生年金の保険料額表

厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料は、

給料によって決まる「標準報酬月額」と賞与によって決まる「標準賞与額」に保険料率を掛けることにより決定

されます。

標準報酬月額」とは、基本給、役付手当、通勤手当、残業手当などの1か月の総支給額である報酬月額を保険料額表の等級に当てはめた金額のことを言います。

保険料額表の等級は

・ 厚生年金保険は1等級から32等級

・ 健康保険は1等級から50等級

までに分けられているのです。

「標準報酬月額」の決定タイミング

社会保険料の決定の基となる「標準報酬月額」は、1回決定されたらそのままでずっと続いていくわけではありません。

当然のことながら、給料は上昇するものですし、転職などにより給料の額が変わることもあります。

「標準報酬月額」の決定タイミングは、

(1) 就職や転職した時の「資格取得時の決定」

(2) 毎年1回決定される「定時決定」

(3) 報酬月額が大幅に変動した場合に決定される「随時改定」

に分けられます。

社会保険料を抑えるには

この中で基本的な「標準報酬月額」の決定方法は「定時決定」です。被保険者が実際に受けとっている給料額と「標準報酬月額」に大きな差がないかを1年に1回、4月から6月に支払われる3か月間の給与を対象に見直しが行われます。

従って、「定時決定」に使用する4月から6月の報酬月額を通常よりも少なくすれば、「標準報酬月額」も小さくなり厚生年金保険料などの社会保険料が安くなるのです。

即ち、4月から6月の報酬月額を減らすことができれば、社会保険料を減らせるというわけです。

その

報酬月額の中で減らすことができそうなのは、残業手当

です。

4月から6月の残業手当の対象になる3月から5月の残業を減らすことができれば、社会保険料を減らせるのです。

厚生年金保険料を減らすと将来の受給額に影響する

このように、働き方を変えることにより厚生年金保険料などの社会保険料を減らせます。

しかし、厚生年金保険料を減らすということは将来の年金額に反映される可能性もありますので、注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)