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老後資金の準備は「給与+投資」 老後破産の対策は「公的年金+生活保護」

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老後資金の準備は「給与+投資」 老後破産の対策は「公的年金+生活保護」

ここ最近は株価が上昇しているというニュースを、よく見かけるという印象があります。

例えばアメリカの代表的な株価指数である「S&P500」は、連日のように過去最高値を更新しているようです。

また日本の代表的な株価指数である「日経平均株価」は、2021年2月中旬に30年半ぶりの3万円台となり、現在も高値で推移しております。

株価は景気の先行指標と言われているため、これだけ世界の株価指数が上昇しているということは、2021年後半や2022年あたりの景気回復を期待できるのです。

そのため個人的には誰にとっても、喜ばしいニュースだと思うのですが、個人投資家のSNSやブログなどを見ていると、不安を感じる方もいるとわかります。

なぜ不安を感じるのかというと、「山高ければ谷深し」という相場の格言が示すように、株価が上昇するほど、何かのきっかけで株価が下落した時に、その下落が大きくなってしまうからです。

このような不安が現実になるかもしれませんが、例えばS&P500は大きな下落を、何度も経験しているにもかかわらず、過去最高値を現在も更新しているため、長期的には右肩上がりに上昇しているのです。

また株式が組み入れられた投資信託を、毎月一定額ずつ積立する場合、株価の上昇時には購入できる口数が少なくなりますが、株価の下落時には多くの口数を購入できます。

そのためS&P500の値動きに連動するインデックスファンドを、長期間に渡って積立している方は、株価の下落を悲観的に捉えないで、逆にチャンスと捉えるかもしれません

老後資金の 「準備」について

老後資金を準備する時は投資を活用した方が良い

株価の上昇を見て不安を感じる方だけでなく、納得できない気持ちになる方もいるようです。

その理由として株高の恩恵を受けられるのは、家賃収入や配当収入などを得ている一部の資産家だけであり、給与だけで生活している一般の会社員は、恩恵を受けられないからのようです。

しかし現在は例えばネット証券なら、月々100円から投資信託の積立ができるため、一般の会社員でも資産家ほどではないにしろ、株高の恩恵を受けられます。

またつみたてNISAや iDeCoなどの税制優遇の大きい制度は、積立できる金額に一定の上限が設けられているため、投資に回せる資金が少ない方が、これらの制度の恩恵を受けられるという面もあるのです。

特に投資を活用した方が良いのは、定年後に取り崩す老後資金を、準備する時だと思います。

その理由として老後資金は長期間で準備するため、一時的に株価が下落したとしても、再び上昇するまで気長に待てるからです。

一方で数年後に使う予定がある、教育資金や住宅購入の頭金などを準備する時は、再び上昇するのを気長に待てないため、あまり投資は活用しない方が良いのです。

いずれにしろ年金だけでは十分な生活ができないことは、数年前に話題になった「老後2,000万円問題」によって、周知の事実になっております。

また2,000万円という金額は、生活費などを賄った後の給与の残り分を、ほぼ金利がゼロの預貯金口座に残しておくだけでは、準備するのが難しいため、「給与+投資」で準備するという発想に、切り替えた方が良いのです。

年金受給者でも要件を満たせば生活保護を受けられる

新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を受けて、生活保護の申請件数が増えているというニュースを見かけました。

このニュースに関しても株価のニュースと同じように、納得できない方がいるようです。

それは例えば生活保護費よりも少ない金額の公的年金で、生活している方になります。

こういった方の主張としては、公的年金の保険料を何十年にも渡って、きちんと支払ってきた自分より、生活保護の受給者が豊かな生活をしているのは、納得できないというわけです。

この気持ちはよく理解できるのですが、生活保護の受給者と公的年金の受給者を対立的に捉えるのは、良くないと思うのです。

その理由として公的年金を受給している方でも、その金額が年齢、地域、世帯人数などによって算出された「最低生活費」を下回っている場合には、生活保護を受けられる可能性があるからです。

もし実際に生活保護を受けられた場合には、最低生活費と公的年金の差額が支給されるため、「公的年金+生活保護」が収入源になります。

ただ一部の例外的な資産(例えば資産価値の低い居住用の家など)以外は、資産を保有していないことが、生活保護を受けるための要件になります。

そのため今はまだ取り崩す老後資産がある方は、老後破産の対策のひとつとして、生活保護の仕組みなどについて事前に学んでおき、金銭面で困った時に、すぐに行動できるようにしておくのです。

このように事前に学んでおくのが良い理由としては、例えば生活保護費は原則として、借金の返済のために使ってはいけないため、多額の借金を抱えた方が申請をすると、生活保護を受けられない場合があります

またこういった情報を知っていれば、生活に困って借金を重ねる前に、生活保護の申請を検討するため、事前に学んでおいた方が良いのです。

生活保護について知っておこう

生活保護の申請をする際はデメリットにも注意する

生活保護を受けると「医療扶助」が支給されるため、病院などで診療を受けた時に、原則として医療費の自己負担がないのです。

また「住宅扶助」が支給されるため、賃貸に住んでいる場合には、家賃の負担が軽減されます

こういった点が生活保護の大きなメリットだと思うのですが、デメリットもあります。

それは例えば生活保護の申請をした後に、扶養義務者である三親等内の親族に対して、仕送りなどをお願いする「扶養照会」が送付される点や、生活保護を受けている世帯に対する、世間からの厳しい視線です。

また定期的にケースワーカーの訪問を受け、その注意や指導に従う必要があるため、生活の自由度が低くなるという点も、デメリットのひとつではないかと思います。

こういった点に抵抗を感じる方は、定年後に取り崩す老後資金を「給与+投資」で十分に準備し、できるだけ生活保護を受けないようにした方が良いのです。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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