毎日、テレビや新聞で見聞きする株価や為替について、

「しっかり見ている」

「何気なく見ている」

「興味がないから見ていない」

あなたはどちらですか。

「株式投資や外貨預金はしていない」、あるいはコロナ禍の中では海外旅行の機会が失われている今は、「旅行先の通貨に両替する必要がない」などの理由で興味がなくても、またあっても、これらの情報は、我々の生活と密接に関係しています。

ここでは、経済情報の仕組みや見方、またはこれらのデータが日々の生活にどう関わってくるのかについても分かり易く触れてみます。

経済情報のイメージ図

為替について

上の図表の為替は、外国為替(Foreign exchange)を指し、通貨を意味するCurrencyという言葉が入りませんが、外国通貨を他通貨と交換するという意味です。

交換する場所はどこなのでしょうか。

日本の場合は、東京外国為替市場において為替取引が行われています。

この市場は、証券取引所のような建物や看板などがある訳でなく、多くの取引は電話やコンピューターを通して行われています

また、この市場は、大きく分けて2つあります。

(1) 銀行間取引市場(以下:インターバンク市場)

金融機関(日本銀行や外為ブローカー等)などの市場参加者が取引を行う市場で、テレビ・ネット・新聞などは、この市場の経済情報を伝えています

(2) 対顧客市場

金融機関が輸出入業者、機関投資家、個人などと取引を行う市場です

円高・円安はいつ時点との比較か

公表される為替相場は、インターバンク市場における前日(前営業日)の午後5時時点と当日の公表時点の為替レートと比較しています。

為替レートの読み方は、たとえば、上の図表において、現時点の為替レートが「1ドル110円27~29銭」ですが、これは、このレートの幅で取引が成立していることを意味しています。

為替レートは数多くある

為替レートは、インターバンク市場のレートを基に決めた仲値に為替手数料を加減したレートで、銀行、証券会社、両替商などの金融機関が通貨としての金融商品を顧客と取引(売買)するときに提示する値段のことを指します。

また、このレートは、通貨、金融機関、取引時間、取引内容(外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)、電信送金、トラベラーチェック、現金)などによってそれぞれ異なる他、外国通貨間の取引に適用されるものもあるなど、数多く存在します

円高・円安とはなにか

例えば、昨日110円(1ドル)の値が付いていたカリフォルニア産のオレンジ1個の値段が、今日は112円(1ドル)になっていました。

つまり、オレンジ1個を買うのに今日は昨日と比べ2円多く出費しなければならないので、円はドルに対し、お金の価値が2円下がった(円安)ことになります

為替の動きは暮らしにどのように影響するか

海外と物やサービスを売買する際に決済するお金は、米ドルやユーロなどの外国通貨が多くを占めています。

そのため、為替の動きによっては生活に大きく影響することもあります。

ここで、どんなものがどのように影響するのか身近なものを挙げてみます。

どのように影響するのか

株価について

株価とは、株券を売買する株式市場において、買いと売りが一致した値段のことを指します。

株式市場は、事業に必要な資金を投資家から集めるために、新たに株式を発行する発行市場と発行済みの株式を自由に売買する流通市場の2つがあります。

ここでは流通市場での取引ですが、それによるもうけや損は、一般的に上場した企業ではなく、取引に参加した投資家に発生します。

取引する場所はどこ?

株式取引が行われている場所は、東京証券取引場において行われていますが、この市場は・東証一部市場、・東証二部市場、・JASDAQ市場、・マザーズ市場の4つのグループに区分されています。

ただし、令和4年からは3つの市場に集約される見通しです。

証券取引所は、この他にも福岡、名古屋、札幌にもあります。

株式の主要な経済データ(株価指数)は

相場指標は銘柄(株式上場してる企業名等)毎の株価の値動きや売買取引高の動きなどを相場全体で表したもので、当営業日の市場全体の動きを、前営業日と比較して表示しています。

代表的な相場指数は、

・ 日経平均株価(日経225)東京証券取引所(東証1部)の代表的な225銘柄の株価を平均した指標で、単位は円表示です

・ 東証株価指数(TOPIX) 東証1部に上場されている全銘柄の時価総額(株価 × 発行済み株式数)の合計を1968年1月4日の時価総額を100として指数化した指標で、単位はポイント表示です

この他にも数多くの株価指数がありますが、なかでも、アメリカを代表するNYダウ工業株30種平均、および米国の新興企業が上場しているナスダック市場のナスダック総合指数などは、日本の株価にも大きく影響する非常に重要な指標です。

株価の動きは生活にどう影響するか

株価の変動は、株式保有の有無に関わらず全ての人の暮らしに影響します。

株価の動きは生活にどう影響するか

将来受取る年金に影響

私たちが支払っている年金保険料の運用は、政府機関のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が担っており、年金資金は国内外の株式や債券などに運用しています

よって、株価が上昇すれば年金原資が増え、将来受取る年金額にも良い影響を与えることになります。

会社の業績や給与に影響?

会社の業績は、株価の動きに大きく影響されます。

株価は、勤務している会社の業績が好調ならば、上がるのが一般的な傾向です。

したがって、株価の上昇は、ボーナスの増額や昇給にも間接的に影響を与えていますが、さらに賃金が上がれば好景気の要因の1つにもなります

従業員持株制度やストックオプションなどの導入による影響

従業員持株制度は、従業員が自社の株式を保有する制度で、購入毎に一定の奨励金が付与される利点もあります。

ストックオプションは、従業員や役員などが自社株を会社が決めた価格で購入できる権利が与えられる報酬制度です。

これらの制度は、売却時点の株価が購入時点(または購入期間)株価より上昇していれば大きなメリットとなります。

暮らしに直結する住宅ローン金利

金利は、お金の貸・借の時期に応じた貸借料つまり手数料で、お金の量(需要量と供給量)を調節する国の金融政策を基準にして決められます。

テレビの経済番組や経済専門の新聞などに公表される金利のなかで、例えば、新発10年国債利回りがあります。

これは住宅ローン金利(固定金利)の基準となるレートの1つです。

金利の推移を見ることは、この先の金利水準を予想して、新規ローンの借入、また借り換えや繰上げ返済などを検討する際に役立ちます

相場に影響を与える要因はなにか

相場とは市場において決定される取引価格のことですが、為替や株式などの金融相場において、代表的なものがあります。

ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)

これは、国や企業の経済状態などを表す指標です

具体的には、国の経済政策や政治、経済成長、雇用統計、物価、金利、外国為替、企業の業績・財務状況、等々

カントリーリスク

紛争、戦争、テロ、天候、自然災害等の発生、直近では、新型コロナ感染症のパンデミック、等々

具体例をあげてみると、日経平均株価(9月14日時点)が31年ぶりに3万円台の高値を付けました

その要因としては、企業業績の好調、新政権の経済政策への期待、新型コロナの新規陽性者数の激減などが影響していると見られています。

また、為替相場について、為替は金利の高い国の通貨の方に流れるので、例えば、米国が利上げをした場合は、円を売ってドルを買う動き(円安・ドル高傾向)となります。

関心を持って見よう

ただし、これらの要因は、複雑に組み合さっている場合もあり、必ずしも教科書通りの動きをするわけではありませんが、基本を知ることはとても大事です。

ここでお薦めしたいことは、紹介した代表的な経済データを細かく覚える必要はありませんが、身近なものとして少しでも関心を持って見ることです。(執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志)