コロナ禍の今、ワクチン接種が進んでいるとはいえ、健康のみならず経済的にも不安な状況が続いていると言っていいでしょう。

そんな中、出費を減らすために保険の解約を考えている人もいると思います。

保険は解約してしまったら、もう元に戻す事ができません。

入っている保険を下取りに出して新しい保険に見直した場合も、同様です。

従って解約後に、

「良い保険だったんだな、失敗したな」

と後悔しても、取り返しがつきません。

そしてどういう訳か、そう思う人が意外といます。

ここでは、「解約しない方がいい保険の見極め方」と「いかにして保険料を節約するか」について詳述します。

解約は慎重に

保険料と保障

端的に言うと、2016年1月にマイナス金利政策が導入されて以降、段階的に保険料が高くなりました。

これは保障という観点から言えば、同じ額の保険料を支払っても以前より小さな保障しか持てなくなったという事です。

・ 死亡保険 → 死亡保険金が以前より少なくなる

・ 年金保険 → 受取れる年金額が以前より少なくなる(積立金を下回る事はない)

・ 養老保険 → 満期(60才など)があり、生存して満期を迎えると契約した満期金が受取れ、満期前に死亡すると満期金と同額の死亡保険金が保険金受取人におりるという保険ですが、同じ金額の保険料を払っても満期金(死亡保険金)が少なくなる

こう聞くともう、この3つの保険に関しては加入しているものを解約するのは勿体ないという気持ちになると思います。

全くその通りです。

少なくともこれら3種の保険については、解約しない事をお勧めします。

しかし、保険料と保障額の関係のみでシンプルに損か得かを考えられない保険もあります。

その代表が医療保険です。

まずはこの件について説明します。

医療保険

医療費はもっとよく考える

解約返戻金のある医療保険もあります。

解約返戻金については、医療保険も前述の3種の保険同様、今はとても不利です。

しかしそこばかりに固執して古い医療保険を大事にしていると、入院や手術をした時に保険がおりないという事になり兼ねません。

その理由は、医療の進歩が著しい事です。

・ 入院の短期化
・ 入院治療から通院治療へ
・ 手術の種類の増加

その結果、入院しても期間が短かったため保険がおりない、という事が起ります。

この場合、更に注意が必要なのは、通院保障が付いている保険でも入院が保障対象にならない事で、通院も保障対象から外れてしまうという事です。

通院保障は保障対象となった入院に伴う通院しか対象にならないというものが多いからです。

手術についても、以前の保険では保障対象となる手術は88種類等と、ごく限られた種類だけでした。

保障対象となる手術であれば、入院が保障対象外の短期でも手術給付金はおります。

従って、医療保険については保障内容と併せて検討する事が重要です。

保険料的にお得だからと言って、一概に既に加入している保険を解約しない方がいいとは言えません。

解約しない方がいい保険

では、解約しない方がいい保険としての死亡保険、年金保険、養老保険について説明します。

「お宝保険」という言葉を見聞きした事のある人もいると思いますが、この3種の保険に多く見られます。

これらの保険は、以下のような特徴をもちます。

・ 高額の解約返戻金があり、増え方も大きい

・ 保険料が安いわりに保障が大きい

・ 契約期間が長くなると(契約した時期と保険料の支払い方によって異なる)、解約返戻金が既払い保険料を上回る

・ 保険料を払い終わった後も(保障期間とは別に、保険料は一時払いや前納、短期払いが可能)解約しない限り解約返戻金が増え続ける

検討の方法

解約しない方がいいかどうかを見極めるために、解約返戻金を調べてください。

解約返戻金は、以下の書類で確認できます。

・ 加入を検討した時の提案書や設計書の、解約返戻金のページ

・ 保険証書の解約返戻金の欄

保険会社によっては「解約」という言葉を避け、「将来受取額」のような名称になっているかもしれません。

上記のいずれもない場合は、保険会社に連絡して取り寄せてください。

それらの書類には経過年数ごとの金額が表になって記載されていますので、解約返戻金と既払い保険料を確認します。

両者の関係と着眼点は以下の通りです。

1. 既に解約返戻金が既払い保険料を上回っている場合

前述の通り、経過年数や保険料の払い方などによっては、既に解約返戻金が既払い保険料を上回っている場合があります。

コロナ禍で出費を減らしたいと苦慮しているところに、支払った金額より多くの解約返戻金を受取れるとなると、すぐにでも解約して解約返戻金を受取りたくなりますが、次に、

「解約金返戻が、毎年いくらずつ増えるか」

を確認してください。

保険料を払っている期間であれば毎年いくらか増えるのは当然ですが、支払っている保険料以上に解約返戻金が増えているでしょう。

マイナス金利の影響で預貯金をしていても全くと言っていいほどお金が増えない現状と比べると、それは驚くほどです。

2. いずれ解約返戻金が既払い保険料を上回る場合

今はまだ既払い保険料の方が多いものの、後々解約返戻金が既払い保険料を上回る場合は以下を確認してください。

・ いつ上回るか

・ 解約返戻金が、毎年いくらずつ増えるか

3. 解約返戻金が既払い保険料を上回らない場合

加入した時期や保険料の払い方によっては解約返戻金が既払い保険料を上回らないか、上回るのが100才前後のものがあります。

その場合、年間の保険料に対していくら位がマイナスになっているかを確認します。

他に死亡保険がない人は、この保険を解約した後に新たに安い定期保険(10年や〇才までといった期限付きの死亡保険)などに加入する事になると考えます。

定期保険はとても安いですが掛け捨てなので、新たに加入する死亡保険で掛け捨てる保険料と、今入っている保険の解約返戻金のマイナス分を比較します。

また、定期保険が満期になった後の事などもイメージして、何が賢い選択かを慎重に考えてください。

解約以外の保険料節約方法

解約以外の方法を考えよう

出費を減らすために保険の解約を検討するという事は、かなりやりくりが大変なのかと想像します。

従っていくらお得な保険だからといって、解約しないでくださいというのでは何の解決にもなりません。

そこで検討すべき方法として、次の3つを挙げます。

1. 貸付制度の利用

保険会社には解約返戻金を担保にする貸付制度があります。

注意点1:解約返戻金の増え方が大きい保険というのは貸付金利も高い

注意点2:簡単に借りられるため借りている感覚が薄くなる

この2点にご注意ください。

2. 払済(はらいずみ)保険

仕組みは現在の解約返戻金で契約できる死亡保険に変更する、という事です。

保険料の支払いは不要になり、いくらかの死亡保険が残ります。

元の保険に適用されている保険料率がそのまま維持されるため、払済保険にする前と同じ水準で解約返戻金は増えます。

3. 減額

保険料を支払い可能な金額まで減らす方法です。

当然ながら保障は、保険料に見合った額まで減ります

後悔しない対処を考える

冒頭にも言いましたが、保険は解約してしまったら2度と元に戻す事ができません。

せっかくの宝を手放してしまわないよう、デメリットをご自身で十分理解した上で慎重に対処してください。(執筆者:金澤 けい子)