10月7日、関東で震度5強の地震があり、驚いたという方も多かったのではないでしょうか。

地震や津波、噴火などの自然災害は、いったん起きると大規模な被害になります。

しかも今後30年の間に、駿河湾から遠州灘、日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する南海トラフで、大きな地震が起きる可能性は80%と言われています。

いっぽう、「地震保険」の加入率は、2019年時点で33.1%です。

しかも2022年には保険料の改定があって、大幅に上がるところと下がるところが出てきそうです。

そこで今回は、地震保険に入った方がいいのか、入らなくてもいいのかを考えてみましょう。

「地震保険」ってどんな保険?

地震に有効な保険として最もポピュラーなのが、損害保険会社の「地震保険」です。

ただし「地震保険」は、大前提として「火災保険」に加入していないと入れません

加入できる金額は火災保険の30〜50%の範囲内で、

・ 建物は5,000万円まで

・ 家財は1,000万円まで

です。

つまり、2,000万円の火災保険に加入していたら、1,000万円までの地震保険に入れるということです。

「地震保険」の保険料は、住んでいる都道府県によって払う保険料が違います

地震保険の支払保険料は、財務省のHPから見てください。

東京の場合、コンクリート構造なら補償金額1,000万円につき保険料は年2万7,500円、木造なら4万2,200円です。

この料金は、22年度には改定される予定です。

ほとんどの人は、1,000万円の保険に入ってももらえるのは50万円

「地震保険」に1,000万円加入すると、地震が来たら1,000万円もらえそうな気がします。

けれど、そう思うのは間違いで、損害の程度によってもらえる保険金額は違います。

土台や柱や屋根などの主要構造が大打撃を受けた「全損」と判断されれば1,000万円ですが、主要構造の被害が50%未満だったり、消失や流出した建物の床面積が70%未満だと、「半損」という扱いで半分の500万円です。

被害が20%未満だと「一部損」となって、5%の50万円しかもらえません

さらに、窓ガラスが割れたり門が倒れたりというような被害は、対象となりません

2016年4月の熊本地震では、「全損」は4.1%とかなり低く、ほとんどは「一部損」だったようです。

大地震後の熊本城の様子

地震保険料の損益分岐点

仮に、一部損の50万円しかもらえなかったら、東京で木造建築に住んでいる人の保険金は年4万2,200円なので、

「11年間地震が来なかったら、そのぶんの保険料を貯金しておいた方が良かった」

ということになります。

コンクリート構造なら、その損益分岐点は18年ということです。

「地震保険」で、忘れてはいけない3つのおトク

貯金ではなく、保険料を払って入り続けるなら、少しでも有利な方法で入り続けましょう。

地震保険では、忘れてはいけない有利な方法が3つあります。

1. まとめ払いでトクをする

「地震保険」の保険料は、まとめ払いをすると安くなります。

まとめ払いは最長5年までできますが、5年分をまとめて支払うと、4.65年分の保険料ですみます

しかもその間に保険料が上がっても、まとめ払いしたものは最後まで契約時点のままでOKです。

実は家庭向けの地震保険の保険料は、22年度に全国平均で0.7%下がる見通しです。

ただ、大分県などは38.1%も保険料が下がりそうですが、茨城、埼玉、徳島、高知の4県は29.9%まで値上がりしそうです。

同時に上記の長期契約の係数も5年で4.7年分と上がりそうなので、上がるか下がるかがはっきり確定したところで、その前に長期で5年に加入するのがいいでしょう。

2. 割引でトクをする

「地震保険」では、「築年数割引」「建築年数割引」「耐震等級割引」「耐震診断割引」という4つの割引があります。

こうした割引が使えれば、保険料はかなり安くなります。

自宅のケースで地震保険の保険料を知りたい場合には、日本損害保険協会のサイトで試算すると、割引も含めた保険料を算出できます。

この条件で試算してみて、最終的な判断をしましょう。

地震保険の割引を積極活用

3. 控除でトクをする

個人で地震保険に加入する場合、税金の控除があります。

所得税(国税)が最高5万円、住民税(地方税)が最高2万5,000円です。

加入している人には損害保険会社から「控除証明書」が発行されます。

会社で保険料を給与控除していたら、会社で処理してくれるケースも多いでしょう。

たとえば、年収400万円の人で、所得税の税率が5%、住民税の税率が10%なら、5,000円ほど税金が安くなるはずです。

地震保険は建物だけでなく、家財に被害を受けた場合の補償もあります。

賃貸の方が加入するなら、家財だけの補償もあります。

ただし、自動車や30万円を超える宝石や美術品、設備、什器などは対象になりません。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)