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期間限定の「加給年金」について もらえる人、もらえない人を解説

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期間限定の「加給年金」について もらえる人、もらえない人を解説

加給年金とは、年金制度において「家族手当」とも呼ばれているものです。

しかし、この加給年金について知らない人も多く、もらえるのにもらっていない人がいるのが現状です。

しかも、期間限定ですので、その期間が過ぎてしまえばもらえるものももらえません

重要な老後資金である公的年金を増やすためにも加給年金の知識は必須です。そこで、加給年金についてわかりやすく説明をします。

もらえる人、もらえない人

加給年金とは

65歳になると老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方をもらうことができます。

この時に老齢厚生年金に上乗せされて支給される年金が加給年金です。

年金といいながら期間限定です。

老齢厚生年金の受給権者が、下記のいずれかの要件を満たしたときに年金額が加算されます。

・ 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上であること

65歳到達時点でその方に生計を維持されていた65歳未満の配偶者か18歳に達する月以後の最初に331日までの間にある(障害等級1,2級の障害者の場合は20歳未満の)子があること

・ 配偶者または子の年収が850万円以上の収入が将来にわたってないこと

以上からわかることは、配偶者が年金をもらう人よりも年上だとすでに年金をもらっているとの前提で、「家族手当はいらないでしょう」ともらえないことです。

また、年収の要件は、相続等一時的に増える場合は、そのまま対象となります。

また、この制度は、厚生年金の制度ですので国民年金だけしかもらえない人には、加給年金はありません

加給年金の金額は、一律で下記のようになります。

期間限定ですがこれだけもらえるのはうれしいものです。

加給年金額(令和3111日現在)
対象者加給年金額年齢制限
配偶者※224,700円65歳未満であること
1人目・2人目の子224,70018歳到達年度の末日までの間の子
または、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子
3人目以降の子74,90018歳到達年度の末日までの間の子
または、1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子

※老齢厚生年金を受けている人の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額に3万3,200円~16万5,800円が特別加算されます。

配偶者の生年月日が以下に該当する場合、加給年金額22万4,700円にプラスして特別加算額が支給されます。

配偶者加給年金額の特別加算額(令和3年4月から)
受給権者の生年月日特別加算額加給年金額の合計額(+224,700円)
昭和942日~昭和154133,200円257,900円
昭和1542日~昭和164166,300円291,000円
昭和1642日~昭和174199,500円324,200円
昭和1742日~昭和1841132,600円357,300円
昭和1842日以後165,800円390,500円

参照日本年金機構

加給年金の支給停止

加給年金は期間限定と言いましたが、配偶者が65歳になって自分の年金がもらえるようになった時、子どもが18歳に達した月以後の最初の3月31日になると支給停止となります

また、配偶者が厚生年金の加入期間が20年以上の老齢厚生年金を受けることができるようになったときにも支給停止となります。

ここでよく間違えられるのは、「配偶者自身の厚生年金の加入期間が20年以上だと加給年金がもらえない」というものです。

単純に厚生年金の加入期間が20年以上ある場合すべての配偶者がもらえないわけではありません。

加入期間20年以上の自分自身の老齢厚生年金が受給できた時点でもらえなくなるのです。

特に現在65歳前に特別支給の老齢厚生年金が支給されていますので、65歳前に支給された場合にその時点で支給停止になります。

振替加算とは

配偶者が65歳になったときに、加給年金はもらえなくなります

その代わり配偶者自身の老齢基礎年金に一定額が加算されます。

これを振替加算といいます。

ただし、加給年金額と同額ではなく、それよりも少なくなります

振替加算の額は、生計維持されていた配偶者の生年月日に応じて決まっており、若い人ほど少なくなっています。

1966年4月2日以降に生まれた方には、振替加算はありません

また、配偶者が加入期間20年以上の老齢厚生年金をもらえるようになると、加給年金は支給停止となりますが、配偶者が65歳になると振替加算が上乗せされます。

その時には、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」による届け出が必要となりますので、忘れないようにしましょう。

また、年上の配偶者の場合、加給年金はもらえませんが、振替加算はもらえますので、65歳になったときに確認が必要です。

届け出は既に配偶者の65歳時の裁定請求書で生計維持関係や所得等の書類を提出していれば、新たに必要はありません。

もし振替加算が上乗せされていなければ、年金事務所に請求をすることになります。

裁定請求するときに確認しよう

年額約40万円という高額な加給年金。

これをもらわない手はありません。

自分自身の年金を裁定請求するときに、配偶者や子の生計維持を証明する書類や所得を証明する書類も一緒に提出することで二度手間を省くことができます。

年金事務所に行く前に問い合わせをしてどんな書類を持っていくべきか確認することをお勧めします。(執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵)

《菅田 芳恵》
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執筆者:特定社会保険労務士、1級FP技能士 菅田 芳恵 菅田 芳恵

グッドライフ設計塾 代表。大学卒業後、証券会社、銀行、生保、コンサルティング会社勤務。49歳から2年間で7つの資格を取得し独立開業。その後さらに6つの資格を取得。現在、13の資格に裏打ちされた様々な知識を活かして、企業コンサルティング、研修講演講師、コラム執筆、労働トラブルや資産運用の相談対応、キャリアカウンセリング、心の健康に関するカウンセリング等幅広く活動。 <保有資格>:特定社会保険労務士、1級FP技能士、CFP、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、ハラスメント防止コンサルタント、医療労務コンサルタント、知的財産管理技能士等 寄稿者にメッセージを送る

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