日本の公的年金制度の1つである国民年金制度には、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての方が加入する必要があります。

そのため、国民年金保険料は20歳から60歳までの40年間納付する必要がありますが、その期間の中には学生であるため収入がなく保険料を支払うことができない期間もあるかもしれません。

このような場合のために、在学中の保険料の納付が猶予される学生納付特例制度という制度があります。

今回は、この学生納付特例制度について詳しく解説していきます。

学生納付特例について

学生納付特例制度とは?

前年度の本人の所得が一定基準以下の大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校に在籍する学生を対象とした、国民年金保険料の納付が猶予される制度のことをいいます。

ここで言う一定基準以下の本人所得とは、以下の計算式が目安になります。

128万円 + 扶養親族等の数 × 38万円

学生納付特例制度を利用している期間は、国民年金保険料の支払いは猶予されますが、「老齢基礎年金」の受給資格期間には含めることができるのです。

ただし、受給資格期間を満たした場合に将来受給できる「老齢基礎年金」の年金額への反映はされません

例えば、学生納付特例制度を利用している期間が24か月で、残りの20歳から60歳までの期間をすべて国民年金保険料を支払ったとします。(保険料納付済期間 456か月)

この場合の老齢基礎年金の年金額は、以下の計算式で求められます。

78万900円(令和3年度満額)×456か月(保険料納付済期間)÷ 480か月(加入可能年数40年 × 12か月)

この結果、老齢基礎年金受給額は74万1,855円になり、満額受給よりも年間3万9,045円低い計算になります。

学生納付特例制度の手続き

学生納付特例制度を利用するためには、申請を行わなければなりません

自動的に国民年金保険料の猶予になるわけではありませんので、注意が必要です。

学生納付特例制度の申請書は、市(区)役所や町村役場の国民年金窓口、年金事務所、日本年金機構ホームページから入手することができますので、記入後に市(区)役所や町村役場の国民年金窓口に提出します。

提出時に、学生証などの学生であることを証明する証明書等が必要になります。

審査結果は、承認の場合は「承認通知書」が、不承認の場合は「却下通知書」が日本年金機構から届きます。

3.まとめ

このように、学生納付特例制度の利用期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には含まれますが、年金額への反映はされません。

そのため、老齢基礎年金の満額受給ができませんので、後から国民年金保険料を追納することをお勧めします

国民年金保険料の追納は、追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られますので、注意が必要です。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)