育児介護休業法の改正を控え、育児休業は女性だけでなく、男性も取得する機運が高まっています。

2019年以降、生まれてくる子供の数は減少しており、統計開始後初めて90万人を下回りました。

今回は女性だけでなく、男性も支給対象となる育児休業給付金にフォーカスをあて、解説していきます。

男性も支給対象の育児休業給付金

雇用保険とは

育児休業給付金の受給対象者は、前提として、雇用保険に加入している必要があります。

雇用保険とは、

・ 雇用保険が適用されている企業に継続して31日以上雇用される見込みがあり、

・ あわせて、週の所定労働時間が20時間以上の場合

強制的に加入対象となります(雇用関係にない取締役等は除く)。

雇用保険に加入すると、毎月の給与だけでなく、賞与からも「雇用保険料」が徴収されることとなり、保険料は総支給額に対して、0.3%です。

よって、20万円の給与の場合には600円が雇用保険料として徴収されます。

また、税法上、一定額まで非課税とされる通勤手当も含めての総支給額に対して雇用保険料は計算されます。

育児休業給付金とは

法律上、育児休業中は給与の支払い義務はありません。

特に男性については育児休業中の収入減が気がかりとなり、育児休業の取得促進の足かせとなっていた点は否めません。

そこで、原則として子供が1歳(延長事由を満たした場合には2歳まで)に到達するまで給付の対象となります。

要件としては、

育児休業開始日前2年間にみなし被保険者期間が12か月以上必要

です。

なお、みなし被保険者期間とは、端的には休業開始日を被保険者でなくなった(例えば退職)した日とみなして、1か月に11日以上の賃金支払基礎日数がある月のことです。

しかし、1つ問題があり、女性が育児休業を取得する場合、育児休業前に産前産後休業を取得していることが一般的です。

例えば、入社して約1年勤務した後に産前休業を開始したような場合、出産日に応じて、「育児休業開始日」が定まりますので、タイミングによっては「みなし被保険者期間が12か月以上」の要件を満たさない場合もあります。

そこで、みなし被保険者期間が12か月に満たない場合は、産前休業を開始した日を起点としてみなし被保険者期間を算定するように「特例」が設けられました。

12か月に満たない場合は産前休業を開始した日を起点にする特例

育児休業給付金の支給額

育児休業給付金は原則として、

休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 給付率

という形で支給されます。

そして、休業日数が180日を境に下記のとおり給付率が変動します。

・ 休業開始日から180日目まで:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

・ 休業開始日から181日目から:休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

休業開始時賃金日額とは育児休業開始前の6か月間の給与総支給額を180で割った額です。

また、育児休業期間中に会社から、一定額の給与が支払われる場合、「休業開始時賃金賃金日額 × 支給日数 × 80%以上」の支払いがあると、育児休業給付金は支給されません

男性の場合は、女性と比べて短期間の育児休業となることが多く、全ての期間で67%の給付というケースも少なくありません。

パパの育休

申請方法

会社の所轄ハローワークにて申請手続きを行います。

事業主を経由せずに従業員本人がハローワークへ申請することも可能ですが、特に初回の手続きや給与の支給があった際には、事業主経由で申請しておくことが無難です。

育児休業給付金は、税法上非課税であることから、所得税の徴収対象ではありません

また言うまでもなく、原則として子供が1歳に達するまでしか受給する機会はないために、期間限定の給付という性質もあります。

そして雇用保険の中では珍しく、失業保険(正式には基本手当)のように退職しないでも受給できる給付としても活用が可能です。(執筆者:社会保険労務士 蓑田 真吾)