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株価の急落が不安な方に薦めたい 投信ブロガーが選んだ2つの投資信託

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株価の急落が不安な方に薦めたい 投信ブロガーが選んだ2つの投資信託

投資信託の情報や選び方などについて、ブログで発信している投信ブロガーに投票してもらい、もっとも優れた投資信託を決めるイベントが、年に1回のペースで2007年から開催されています。

15回目となる「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」は、2021年11月1日~30日に投票が実施され、次のような投票結果が2022年1月22日に発表されたのです。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021

≪画像元:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021

断トツで1位に選ばれた、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、3年連続で1位を獲得しているので、やはり根強い人気があると思いました。

一方で前回は5位にランキングしていた「ひふみ投信」は、13位まで下がっております

最近の運用成績を見てみると、かつてのような勢いがなくなっているため、投信ブロガーからの評価が下がったのかもしれません。

このように数年分の投票結果を比較したり、順位が変わった理由を自分なりに分析したりするというのも、楽しみ方のひとつだと思います。

人気があるのは「全世界・先進国・米国」

年間で40万円までの積立投資で得た利益が、最長で20年に渡って非課税になる、つみたてNISAという制度があります。

この制度の対象になっている、金融庁が定めた厳しい基準をクリアした投資信託(2022年2年28日時点)と、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」の中に登場する投資信託は、かなり重なっているのです。

また重なっている投資信託を、投資対象で大まかに分類してみると、次のようになると思います。

【全世界の株式】

1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

16位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

17位:楽天・全世界株式インデックス・ファンド

18位:SBI・全世界株式インデックス・ファンド

【先進国の株式】

2位:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

6位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

9位:たわらノーロード 先進国株式

【米国の株式】

4位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

8位:楽天・全米株式インデックス・ファンド

10位:SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

19位:SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

【主に日本の株式】

12位:結い 2101

13位:ひふみ投信

【株式や債券などの複数の資産】

7位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

14位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

【新興国の株式】

20位:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

以上のようになりますが、「全世界・先進国・米国」の3種類が、大部分を占めていることがわかります。

来年以降に順位が変わったり、商品の入れ替わりがあったりしても、この傾向は変わらないと推測されるのです。

2つの投資信託を紹介

2022年に入ってから株価が何度も急落している

2020年前半あたりから世界中に広まった、新型コロナウイルスの影響によって、世界各国の株価は大幅に下落し、景気は大きく低迷しました。

そこで世界各国の中央銀行は、政策金利(中央銀行が誘導目標にする金利)の引き下げや、量的緩和(国債などの買い取りによる市場への資金供給)などの、金融緩和を実施したのです。

これによって株価は上昇に転じ、景気は回復したのですが、2021年後半あたりから世界各国で、インフレ(継続的な物価上昇)が懸念されるようになってきました。

そのため金融政策の変更が検討されるようになり、例えば米国の中央銀行にあたるFRBは、2021年11月からのテーパリング(量的緩和の段階的な縮小)を決定し、金融政策の転換を図ったのです。

こういった金融政策に関するニュースや、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関するニュースなどによって、2022年に入ってから株価が、何度も急落しているのです。

つみたてNISAのように投資信託を、毎月一定額ずつ積立投資する場合、株価が上昇するほど、購入できる口数が少なくなります。

一方で株価が下落するほど、購入できる口数が多くなるため、一直線に株価が上昇するより、短期的な上昇と下落を繰り返しながら、中長期に上昇していく方が、利益が出やすくなるのです。

しかし年齢が若い方や、2020年以降の株価が上昇する局面で積立投資を始めた方は、株価の急落によって生じた不安に耐え切れなくなり、積立投資を止めてしまう場合があるようです。

こういった方に必要なのは積立投資を止めないで、長期に渡って続けていける方法だと思います。

株価の急落が不安な方は債券が含まれた投資信託を選ぼう

7位の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、1回目の2007年に1位を獲得しているだけでなく、その後も10位以内にランキングしている場合が多いため、長期に渡って支持されているのです。

これだけ人気があるため、「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」という、かなり資産配分の近い投資信託が販売され、現在はつみたてNISAの対象になっております。

両者の投資信託の大きな共通点は、「株式50%:債券50%」で運用されているところです。

一般的に株価と債券価格には、逆相関の関係があるため、株価が下落する局面では、債券価格が上昇しやすいのです。

そのため株価の下落を債券価格の上昇がカバーするため、「株式50%:債券50%」は「株式100%」より、基準価格(投資信託の価格)の下落が緩やかになるのです。

一方で株価が上昇する局面では、債券価格が下落しやすくなるため、「株式50%:債券50%」は「株式100%」より、基準価格が伸びなくなってしまうのです。

これはデメリットになりますが、株価が下落する局面で、基準価格の下落が緩やかになる点は、株価の急落が不安な方にとってのメリットだと思います。

その理由としては不安が軽減されるため、積立投資を長期に渡って続けやすくなるからです。

なお14位には「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」という、株式と債券だけでなく、リート(不動産投資信託)も含まれている投資信託が、ランキングしております。

こちらの投資信託も資産の一部である債券により、株価が下落する局面で、基準価格の下落が緩やかになるのです。

そのため株価の急落が不安な方には、人気のある「全世界・先進国・米国」より、いずれかの投資信託をお薦めしたいと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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