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エルピオでんきが事業廃止!新電力が破綻すると具体的にはなにが困る?とるべき手続きも紹介

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エルピオでんきが事業廃止!新電力が破綻すると具体的にはなにが困る?とるべき手続きも紹介

光熱費やインターネット回線、携帯電話等の生活インフラは、業者を選べるので安くしたいものです。

新電力、新ガスに切り替え済みの方も多いでしょう。

基本料金が安いことと、それから切り替えによる特典も大きな誘因です。

さて新電力のひとつ、「エルピオでんき」がこのたび事業を廃止します。

私もユーザーなので、突然のニュースに大変驚きました。

新電力の現状を見て、選び方も考え直す必要がありそうです。

さらに、事業をやめる際の利用者手続きを見てみます。

※文中の日付は断りない限り、2022年です。

お得なプランの 新電力会社「事業停止」したらどうする?

新電力も事業廃止や破産する

2021年の年末から、電力料金は軒並み値上がりしています。

直接の原因は、火力発電の燃料である液化天然ガスの価格高騰です。

電気料金の一部には燃料費調整額があり、燃料調達費が上がると、連動して上がります。

価格改定しなくても、利用者負担が自動で上がる仕組みになっています。

この状態に追い打ちをかけたのがロシアのウクライナ侵攻です。

その結果が次のニュースです。

エルピオでんきが事業廃止

エルピオは千葉県市川市のLPガスの会社です。

エルピオの運営する新電力「エルピオでんき」は、料金の優位性で人気を集めてきましたが、前述の理由による燃料費高騰を吸収できず、電力事業継続を断念しました。

通信会社のように、別の事業体がそっくり事業を引き継ぐこともなく、完全撤退です(LPガス、都市ガス事業は継続)。

3月18日に新規募集を取りやめたあと、25日には事業停止を発表しています。

そして早くも4月30日には完全撤退してしまいます。

エルピオでんきユーザーの電力は、4月30日になっても次の契約をしない場合に、止まってしまう可能性があります(実際には地域電力会社のサポートが見込まれる)。

そんな状況にもかかわらず、多くのエルピオでんき利用者が、広く報道されたわけでもないこのニュースを知らないままと思われます。

エルピオでんきからの利用者への連絡は、3月27日現在、メールのみですからなおさらです。

急な廃止スケジュールも違反ではない

経済産業省による「電力の小売営業に関する指針」によると、新電力を取りやめる企業には、次の義務が課せられています。

契約解除の15日程度前までに、利用者に解除日を明示して予告通知を行う

・ 無契約となった場合には、電気の供給が止まることを説明する

どちらも一応満たしていますが、それにしても急すぎるスケジュールです。

参照元:経済産業省「電力の小売営業に関する指針」を改定しました

他にも事業停止の電力が

福岡市の新電力会社ホープエナジーは、3月22日の取締役会で破産手続き開始を決めました。

一般家庭向けではないので影響は比較的小さいものですが、新電力会社も破綻することがあるのです。

エルピオでんきと同じ25日には、「ウエスト電力」(東京都新宿区)も電力小売事業からの撤退を表明しています。

その他既存の新電力会社でも、新規募集を停止している業者が多く存在します。

新電力会社の事業停止が続々と

新電力が事業廃止したとき、利用者がすべきこと

利用中の新電力会社が破綻や事業廃止をした場合、利用者はどうしたらいいのでしょうか。

おおむね次のように進むと思われます。

(1) 事前に事業廃止を発表し、利用者に通知

(2) 新たな契約先に切り替えるためのサポートがある

(3) 利用者自ら、新たな電力会社に申し込む

エルピオは今回、「エネワンでんき」への切り替えを、自らが代理店を務めて推奨しています。

いずれにせよ、使っている電力が勝手に切り替わることはありません

要手続です。

なお私は、切り替え特典の多い「ソフトバンクでんき」(3種類あるが「くらしでんき」)にすでに申込み済みです。

特典狙いで早くから検討していたのですが、切替えで毎月の電気料金は確実に値上がりするため、ペンディングにしていました。

毎月の比較に意味がなくなったため、申し込まない理由が消滅したわけです。


新電力会社は安心か?

2020年にエルピオでんきに切り替えた際、大きなキャッシュバック特典がありました。

私は受け取った後です。

いっぽうこれを主たる誘因にエルピオでんきに切り替えた人たちの多くが、特典を反故にされるものと思われます。

継続して1年間使う条件を満たさなくなる以上、不合理ですが仕方ありません。

このような事例を目の当たりにすると、電力やガスの切替えについて、考え方を替えるべきかもしれません。

新電力会社について整理

思わぬリスクが明らかになった新電力会社ですが、今回わかったことを整理します。

・ 事業停止することがある

切替特典が消滅することもある

必ず利用者が次の電力会社に申込みをしなければならない

・ 放置しておくと電気が止まる可能性がある

・ 上記を上回る不利益はない

特典狙いで、電気代が高くなるのを承知で申し込んでいた人にだけ、具体的な損害があります。

ただ、エルピオでんきは低料金だったので、明らかな損害を受けるという人は、少ないでしょう。

電力切替の考え方

今回を機に、電力切替についての新たな考え方を見てみます。

・ 中小の業者の場合、燃料費高騰を料金で吸収できない可能性がある

・ 切替特典を受け取れないリスクを認識しておく

・ 資金に余力のある大手新電力から選んだほうが無難

その、大手新電力の具体例です。

・ 都市ガス会社(ガスとセット割がある)

・ ENEOSでんき

・ ドコモでんき、auでんき、ソフトバンクでんき、楽天でんき等通信系

ドコモやauは基本地域電力と同一料金で、ただしポイントが付加される分得になる仕組みです。

私が申し込んだソフトバンクでんき(くらしでんき)は、電気使用量に応じて、地域系より1~5%料金が安くなるというのが特色です。

ソフトバンク携帯の非ユーザーでもあまりマイナスはありません

今回は特典で満足しておきます。

特典や料金をみて電力会社を選ぶ

申し込んだ電力会社がなくなってしまうことも

エルピオでんきに始まる混乱を見てきました。

どんなジャンルにもリスクがあることを、改めて思い出させられました。

電力会社の新たな申込みの際には、事業継続性も考えてみたいものです。(執筆者:沼島 まさし)

《沼島 まさし》
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沼島 まさし

執筆者:金融系ライター 沼島 まさし 沼島 まさし

実践系キャッシュレスライター。 モットーは「経済圏に囲い込まれるな」「キャンペーンのためなら火の中水の中」 QRコード決済の地域還元のためなら、都内のあちこちに出没します。 たまにうっかり失敗しますが、失敗談もネタにしています。 寄稿者にメッセージを送る

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