物価が高騰し、電気代をはじめとする公共料金も年内は上がりっぱなしになりそうです。

しかも、夏の参議院選が終われば雇用保険も上がり、75歳以上の医療も2割負担になる人が出てきます。

出費は増えるのに、肝心の給料は下がり、給料と支給額が連動している年金も、2年連続で下がっています。

ですから、家計はどんどんくるしくなっていく。

それに伴って、苦しい家計を狙った詐欺も増えています

新手高金利詐欺にご用心!

年利1,920%の、新手の詐欺にご用心!

最近出てきているのが、「先払い買取現金化」という新しい手法を使った高利貸し。

スマホやゲーム機の高価買取を装って、高利でお金を貸す業者です。

仕組みはこうです。

まず利用者は、買取商品としてスマホなどを撮影して業者に送ります。

業者は、その画像を見て査定し、お金を振り込みます。

早い業者だと15分でお金が振り込まれます。

金額は業者にもよりますが、1万円から10万円程度。

契約では、7日以内に商品を送ることになっていますが、キャンセル料を払えばいいということでキャンセルして商品を送ることなくキャンセル料を払います

そのキャンセル料が30%から40%

中には90%という業者もいます。

たとえば買取価格が3万円でこれが手元に来て、キャンセル料が1万2,000円ですから、返す時には借りたお金と合わせて4万2,000円になります。

どうしてもお金が必要な時に3万円借りて4万2,000円返すというのはアリかもしれないと思う方もおられるかもしれませんが、問題は、これを借金と捉えた場合、3万円借りただけなのに7日の間に1万2,000円もの利息がつくということ

これは、年利に直すと、なんと1,920%

利息制限法の上限は、3万円借りたら年利20%ですから、その96倍ということになります。

ただ、「貸金」ではなく、あくまで「買い取り」という名目でキャンセル料をもらうということになっているので、実態は悪徳貸金であるにもかかわらず、限りなく黒に近いグレーでまだ悪徳判定されていないのが現状です。

ですから、ネットでもたくさん業者が紹介されていて、中には「有利な業者ベスト5」になどというサイトもありますが、注意が必要でしょう。

違法判定された「給与ファクタリング」

実は、「先払い買取現金化」と同じように、限りなく黒に近いグレーで多くの人が利用し、最終的に利息制限法に違反しているということで違法となった手口に「給与ファクタリング」があります。

ファクタリングとは、もともと企業の商取引で、入金待ちの請求書など売掛債権を、専門の業者に買い取ってもらうことです。

企業は、入る予定のお金を売掛け債権として専門の業者に割引して売り、受け取る金額は減りますが、期日まで待たなくてもすぐに現金が手に入るので、通常の商取引でも使われていて違法ではありません

これを、悪徳業者が個人に対して転用し、給料を債権として暴利を貪る商売が、2年ほど前から横行していました。

手口はこうです。

たとえば、給料20万円の人が、月半ばで生活費が底をつき、給与ファクタリング業者に20万円の給料の2割を手数料とし支払う約束をして給料を受け取る権利(債権)を売却します。

こうすると現金はすぐ手に入りますが、20万円のうち自分の手に入るのは16万円で、2割に当たる4万円は手数料として業者の手に渡ります。

給料日になったらすぐに返すにもかかわらず、手数料が2割も取られ、これを年利換算すると240%くらい。

中には、借りる時と返す時の両方に手数料をかけて、年利換算で1,000%近くになる業者もいました。

給与ファクタリング業者は「ファクタリングはあくまでも債権の買い取りで、もらうのは利息ではなく手数料」と主張してきました。

しかし、20年3月に金融庁はこれを「貸金業」と認定し、「バカ高い利率は違法」と判断しました。

「先払い買取現金化」も、同じような形で、早い段階で違法とみなされるのではないでしょうか。

お金を借りるならきちんとしたところで借りましょう

世の中に、簡単に有利に借りなれるお金などはありません。

ただ、生活が苦しくなればなるほど、こうしたお金に手を出し、借金地獄に陥っていく危険があります

そうならないためには、できるだけ節約して、少しでも貯金を持っておくことです。

そして、もしどうしてもお金を借りなくてはならないなら、面倒ではありますがちゃんとしたところで借りるべきでしょう。

たとえば、東京都なら正規、非正規問わずに、中小業に勤めている人に最大70万円を金利1.8%で貸してくれる個人融資「さわやか」があります

参照:東京都 TOKYOはたらくネット

こうしたものは、手続きが面倒なので、すぐに手軽に借りられるというわけにはいきませんが、それだけに暴利を貪られる心配もありません。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)