不安定な相場が続いている今の米国株式、多くの投資家が気にしているのが

「米国株は上昇するのか」

ということではないでしょうか。

長らく続いた上昇相場が終わりを迎え、今は弱気相場となっております。

米国株が 下げ止まるのはいつ?

コロナ禍以降に投資を始めた方にとっては初めての大幅下落です。

資産が目減りしてしまっており「聞いていた話とは違う」と落胆されている方もいるかもしれません。

今の米国株式相場は直近のさまざまなニュースに敏感に反応しています。

ポジティブニュースで大幅上昇したかと思いきや、それを打ち消すかのような下落がすぐに襲いかかり安心して投資を続けることができないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

一体いつになったら下げ止まるのか。

どうなったら上昇相場を期待することができるのでしょうか。

大きなカギを握るのがインフレ率

株価の動きにはさまざまなものが影響を与えています。

中でも現在一番注目されているのがインフレ率です。

コロナ禍における金融緩和策の影響でアメリカでは激しいインフレ(物価上昇)が進行しています。

緩やかなインフレ(おおよそ2%程度)は経済成長にとって欠かせないものですが、現在のアメリカのインフレ率は8%を超えています

過度なインフレは個人の消費マインドを低下させ、購買意欲がなくなります。

個人が消費行動を取らないと企業の儲けも減少し、経済停滞の大きな要因となってしまいます。

つまり現在のアメリカで起こっているインフレはこのまま放置するとリセッション(景気後退)に陥りかねないインフレとなります

ここで登場するのがFRB(米国の中央銀行)です。

FRBは金融政策の実施を通して、雇用の最大化、物価の安定、適切な金利水準の維持を実現して米国経済を活性化することを目標としています。

そのためFRBとしても何とか今のインフレを抑えるべく、さまざまな金融引締策を展開しています。

中でも毎回大きなニュースとなるのが金利の引き上げです。

金利を引き上げることにより経済活動を落ち着かせ、インフレに歯止めをかけようとしています。

金利の上げ下げを決定する会合がFOMC(米国の金融政策決定会合)であり、年8回開催されることとなっています。

直近で行われた5月の会合では市場の予想通り0.5%の利上げが決定されました。

このままのインフレ状況が続く限り、6月および7月のFOMCでも0.5%の利上げを行うことが濃厚となっており、近年では例を見ないほどの早いペースで利上げが進むことが予想されています。

この金利引き上げを判断する際の一つの指標となるのがCPI(消費者物価指数)です。

「CPIが落ち着きを取り戻す=インフレが沈静化している」

ということになりますので、FRBも金融引締策を緩めることができるようになります。

いまだ落ち着きを見せないCPI

ですが6月10日に発表されたCPIが市場の予想(8.2%の上昇)を上回る8.6%の上昇となってしまい、予想よりもインフレが進行してしまっている結果が出ました。

そろそろインフレも落ち着きを見せる頃かと思われていた矢先、落ち着くどころかさらに進行してしまっているということが明らかになってしまいました。

これにより利上げ懸念が急上昇し、景気後退懸念が一段と強まる結果となってしまいました。

基本的に利上げは株価にとって向かい風となります。

10日の米国株式市場は急落、ハイテク株が多いNASDAQにいたっては3.5%の大幅安となってしまいました。

S&P500、NASDAQともに5月につけていた年初来安値に迫る勢いで下落してしまっています。

今回のCPI発表を受け、仮に6月、7月のFOMCで5%よりも高い利上げ(0.75%)が実施されることになるとこれは株価にとってはマイナス、さらなる下落要因となる可能性が高くなってしまいます。

インフレが落ち着くまで株価の本格上昇は難しい!?

高い水準のインフレが続く限りFRBは金融引締策を続けることになるでしょう。

インフレが落ち着きを見せるまで株価の本格上昇は難しいのではないかとする見方が多数のようです。

もちろん短期的な反発という形で上昇することもあるでしょう。

ですがそこに飛び乗ることは避けた方が安全かもしれません。

過去の例からも2〜3か月程度の上昇、その後にさらなる暴落というパターンはよくあります。

リーマンショックやITバブル崩壊の時もそうでした。

高いインフレ率が維持される限り、株価の長期的上昇は厳しいのではないでしょうか。

インフレがピークアウトした時、それが株価本格上昇の契機の1つになると考えています。

インフレが落ち着くことによって物価も経済も安定することにつながるからです。

今は株価の上げ下げに一喜一憂、惑わされることなく、落ち着いて市場と向き合うことを心がけたいものです。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)