厚生年金の適用事業所に常時使用される70歳未満の会社員や公務員などの被用者の方は、厚生年金保険料が給料から天引きされています。

給料明細を見て結構な金額が引かれていると思う方もいれば、まったく気にならない方もいるのではないのでしょうか。

天引きされる厚生年金保険料は、それぞれの報酬によって異なりますが、どのように決定されるのでしょうか。

今回は、厚生年金保険料はどのように算出されて、毎月いくら払わなければならないかについて、わかりやすく解説していきます。

給与明細社会保険料の天引き

厚生年金の被保険者の条件

厚生年金保険料を支払わなければならない方は、「厚生年金の被保険者」です。

厚生年金の被保険者の条件は、以下の方です。

厚生年金保険の適用事業所に常時使用される70歳未満の方

1週間の所定労働時間が通常の労働者の4分の3未満、1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満で、厚生年金保険の適用事業所と常用的使用関係にあるパートやアルバイトなどの方も、以下の条件をすべて満たした場合は厚生年金の被保険者です。

週の所定労働時間が20時間以上あること

・ 雇用期間が1年以上見込まれること

賃金の月額が8.8万円以上であること

・ 学生でないこと

厚生年金の加入対象条件をチェックしておこう

厚生年金保険料の算出方法

厚生年金保険料は、被保険者の標準報酬月額に保険料率(18.3%)を乗じて算出します。

標準報酬月額とは、毎月の給料などの報酬を報酬月額の区分(等級)ごとに分けて設定されている算出用金額です。

(厚生年金の場合は、1等級~32等級)

参照:協会けんぽ 令和4年度保険料額表(令和4年3月分から)

また、賞与の場合は、標準賞与額に保険料率(18.3%)を乗じて算出します。

標準賞与額とは、税引前の賞与総額から千円未満の端数を切り捨てた算出用の金額です。

このように、算出された厚生年金保険料は、

労使折半で事業者が半分、被保険者が半分負担

します。

すなわち、被保険者の1か月の厚生年金保険料は、標準報酬月額に厚生年金保険料率(18.3%)の半分の9.15%を乗じた金額になるのです。

厚生年金保険料の算出例

例えば、賞与がなしで年間の報酬が500万円(1か月あたりの報酬が41万6,666円)の方の厚生年金保険料を算出します。

この方の標準報酬月額は、標準報酬月額等級表から24等級「41万円」であることがわかります。

そのため、厚生年金保険料は、標準報酬月額41万円の18.3%で7万5,030円、労使折半のため被保険者が支払う厚生年金保険料は3万7,515円です。

厚生年金保険料の計算方法

多く支払ったから損をするということはない

このように、厚生年金保険料は、標準報酬月額が高い方ほど負担は大きくなります。

ただし、厚生年金保険料の負担額が多ければ、その分受給できる老齢厚生年金の額も大きくなりますので、多く支払ったから損だということはありません。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)