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高騰している電気代に「節約ポイント」導入 不公平な制度より、電気代の基本料金を国が負担すればいいのよ

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高騰している電気代に「節約ポイント」導入 不公平な制度より、電気代の基本料金を国が負担すればいいのよ

「電気代」が、庶民生活を脅かす夏となりました。

料金は、昨年に比べて3割ほど高くなっていて、しかもまだまだエネルギー価格は上がりそうなので、この先も電気代で家計が圧迫されそうです。

高騰している電気代 「節約ポイント」導入

政府が「節電ポイント制度」を始めます

岸田首相が、電力を節電すればポイントで2,000円還元を還元すると公表し、この話を受けて6月26日に松野博一官房長官が記者会見で、

「8月は(電力会社の)節電プログラムに参加いただいた家庭に2,000円程度相当の定額のポイントの支給を開始すると承知しております」

と述べました。

8月にスタートする「節電ポイント制度」についての詳細はまだわかりませんが、概要は、電力会社の節電プログラムに参加・登録した家庭に、1か月あたり5%の節電で2,000円相当のポイントを支給することを目指すようです。

さらに、秋以降も登録している人に、同じように電力の不足が懸念される場合には、1か月あたり5%の節電をすれば2,000円相当のポイントがつくのだそうです。

7月11日から執行団体の公募が始まっています。

実施スキーム

あまりに不公平な「節電ポイント制度」

興味を持っている人も多い「節電ポイント制度」ですが、多くの問題点もあります。

制度を政府が立ち上げるのではなく、今ある電力会社の「節電ポイント制度」に相乗りしていくものですが、制度は会社によってバラバラ。

公平性を保つことができるのかということがあります。また、

  • いつポイントが付与されて
  • いつ使えるのか
  • いつまでに使わなくてはいけないのか

不明です。

手続きをスマホやパソコンで行いますが、高齢者などの中にはこうしたものを使えない人もいます。

アプリをインストールしなくてはならないのですが、どうすればいいのかわからない人もいるでしょう。

今回の制度は「節電ポイント制度」のない新電力の電力会社は対象外なので、こうしたとこで電気を契約している人が既存の大手電力会社に移ってしまうことも考えられ、打撃を受けそうです。

現在、電気価格の高騰で、休廃止に追い込まれている新電力の会社は1割以上あり、この制度で倒産に拍車がかかりそうです。

「マネーの達人」を愛読している読者の中には、すでに一生懸命に節電しているという人も多いと思いますが、しっかり節電している人ほど節電効果が表れにくいので、ポイントがもらえないということになりそうです。

低所得で、ギリギリの電力で生活していて、もうこれ以上の節電は無理という人も、恩恵を受けられない可能性があります。

こうした人たちが、恩恵を受けようと、真夏でもクーラーをつけずに熱中症になる心配もあります。

国民の税金を使う事業としては、あまりに不公平なことが多すぎます。

電気の基本料金を政府が払えばいい!

「節電ポイント」などという面倒な方法ではなく、すぐにみんなが公平に恩恵を受けられる方法があります。

それは、基本料金だけを政府が負担することです。そのためにしなくてはならないのは、政府が電力会社に「電気代の請求の中で、基本料金の請求だけは政府にしてください」と通達を出すこと。

たったそれだけのことで、すぐに電気代は安くなります。

電力会社は、毎月の皆さんへの請求書から基本料金だけを抜き、基本料金はまとめて政府に請求し、利用料は皆さんに請求するだけですから、コンピュータの操作で、簡単にできることです。

この方法のいいところは、すべての人に恩恵が届くこと。

一生懸命節約している人や、基本料金ギリギリで生活している収入の少ない人のメリットが大きいことです。

さらに、自分で何かしなくてもいいので高齢者にはありがたい。

これなら、面倒な手続きや、時間がかかってややこしいシステムは必要ないし、業者に大切な税金を支払う必要もありません。

財源は、政府にある予備費を使えばいいでしょう。

電気の基本料金を 政府が払えばいい!

4月22日:日本経済新聞が報じた内容

国会に使い道が報告された予備費の12兆円のうち、日本経済新聞が分析したところでは、最終的な用途を正確に特定できたのはたった6.5%の8,000億円強だったとのこと。

使途不明確な支出については、この際役所から国庫に戻してもらい、それを電力料金の政府負担分に使えばいい。すべて、私たちの税金なのですから。

物価高で国民が苦しむ中で、儲けている石油元売会社に多額の補助金を出すくらいのことしかしていない政府ですが、もし、電気の基本料金を負担して「節電に協力してください」と言えば、国民は政府を見直し、しっかり節電に協力してくれるはずです。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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