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芸人さんが投資被害に遭った理由と、同じ失敗を繰り返さないための対策

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芸人さんが投資被害に遭った理由と、同じ失敗を繰り返さないための対策

アメリカの著名な投資家で、「投資の神様」や「オマハの賢人」と呼ばれている、ウォーレン・バフェットという方がおります。

現在の資産は10兆円くらいに達するそうなので、バフェット氏の投資方針からは学ぶことが多いのです。

この投資方針のひとつとして、「理解できないものには手を出さない」というのがあります。

先日にニュースサイトを見ていたら、これを思い出させる記事が載っておりました。

その記事によるとレギュラーを何本も持つ有名な芸人さんが、芸人仲間などから集めた数億円の資金を、2名の投資パートナーに渡して、運用を依頼していたようです。

いつの出来事かはわかりませんが、投資パートナーの1名と音信不通になったうえに、配当金の支払いが滞っていたため、運用は失敗していたのだと思います。

どんな運用をしていたのかが気になりましたが、投資被害に遭った芸人さんに取材した時に、預けた資金の金額を語る方はいても、投資対象や投資手法などについて語る方は、ほとんどいなかったのです。

そのため芸人さんが投資被害に遭った理由のひとつは、バフェット氏の投資方針である「理解できないものには手を出さない」に反して、理解できないものに手を出したことだと思います。

もっとも芸人の世界は上下関係が厳しいそうなので、手を出したくないと思っても、断れなかったのかもしれません。

理解できないものには手を出さない

常識では理解できない金融商品に手を出さない

投資詐欺の手口のひとつとして、100年前くらいに実在した天才詐欺師のチャールズ・ポンジ氏に由来する、ポンジスキームというものがあります。

このポンジスキームとは後から参加した出資者の資金を、以前からの出資者に配当金などと偽って渡し、投資によって利益が発生したように見せかける詐欺です。

実際は何に対しても投資せず、後から参加した出資者の資金を、以前からの出資者に回しているだけなのです。

そのため新しい出資者が途絶えて、配当金などとして渡せる資金がなくなると破綻します。

また破綻する前に運営会社の人間が、出資金を持って逃亡する場合もあるのです。

日本でも安愚楽牧場やジャパンライフなどの、ポンジスキームを使った詐欺事件が何件も発生しております。

冒頭で紹介した有名な芸人さんの投資パートナーも、ポンジスキームを使っていたと指摘する方がおります。

このように多くの被害者を生んできたポンジスキームですが、すべての方が痛い目に合ったわけではありません。

例えばポンジスキームだと早期に見抜き、新しい出資者が途切れないうちに、または運営会社の人間が逃亡する前に、出資金を返してもらった方は、痛い目に合わないで済んだのです。

実際に見抜くのは簡単ではないのですが、「高配当なのに元本保証」などの常識では理解できない箇所を見つけたら、ポンジスキームの可能性が高いと思います。

そのため投資被害に遭わないためには、どのように運用されているのかが理解できない場合だけでなく、常識では理解できない場合にも、手を出さない方が良いのです。

怪しいかよりも理解できるかに注意する

日本より金利の高い国(アメリカ、オーストラリアなど)の通貨で保険料を運用する、外貨建て保険という金融商品があります。

銀行の窓口などでも購入できるため、近年は加入者が増加しておりますが、円建ての一般的な生命保険とは違う点があります。

それは例えば満期を迎えた時や解約する時に、加入する時よりも円高・外貨安が進んでいると、為替差損によって元本割れになる場合があるのです。

こういった仕組みをよく理解していなかった契約者と、金融機関との間でトラブルが発生し、問題になっているのです。

外貨建て保険は仕組みが複雑なため、商品内容を十分に理解できなかった可能性があります。

また保険という名称になっているため、投資と違って元本割れはしないという、先入観を持ったのかもしれません。

いずれにしろ銀行の窓口などで販売している、怪しくない金融商品であっても、きちんと商品内容を理解していないと、トラブルになる場合があるのです。

そうなると投資被害に遭わないためには、怪しいかよりも理解できるかに、注意した方が良いと思います。

シンプルな金融商品の代表はインデックスファンド

知識が大切

芸人さんと同じ失敗を繰り返さないためには、金融商品について理解する時に必要となる、資産運用、税制、経済などに関する知識を、本やインターネットで身に付けることです。

シンプルな金融商品であれば、これらの知識が少なかったとしても、理解しやすいと思います。

例えば日経平均株価やS&P500などの、株価指数に連動した値動きを目指すインデックスファンドは、シンプルな金融商品の代表だと思います。

その理由としては日経平均株価が上昇すれば値段が上がり、下降すれば値段が下がるというように、値段が上がる理由と下がる理由が、非常にわかりやすいからです。

値段が上がる理由と下がる理由がわかれば、利益を確定するタイミングや、損切り(含み損が出ている金融商品を売却して、損失を確定する行為)するタイミングを、判断しやすくなるのです。

冒頭で紹介したバフェット氏は、

「自分が亡くなった後は資産の10%を米国の短期国債に、残りの90%は手数料が低いS&P500のインデックスファンドに投資しなさい」

と、家族にアドバイスしているそうです。

これは興味深いアドバイスだと思いますが、資産の90%をS&P500のインデックスファンドで運用するのは、株式の割合が高すぎるような気がします。

そのため「100-自分の年齢」くらいの割合を、S&P500のインデックスファンドで運用し、残りは米国の短期国債の代わりに、個人向け国債(変動10年)や預貯金で運用するのがおススメです。

年金の積立金の運用は、株式と債券の割合を半々くらいにしているため、資産の50%はS&P500のインデックスファンド、残りの50%は個人向け国債(変動10年)や預貯金でも、良いのではないかと思います。

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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