マイナポイント第2弾が推進されて、マイナンバーカードと健康保険証の機能を併せ持つ「マイナ保険証」の拡充が着々と進行しています。

最近では、医療機関や薬局でマイナ保険証のカードリーダーを見かけることも多くなってきました。

しかし4月よりマイナ保険証を利用した場合の窓口での医療費負担が、従来の健康保険証を利用よりも高いということをご存じだったでしょうか。

この負担額の差に対して反発が多く、8月になって厚生労働省はマイナ保険証を利用した窓口での医療費負担に対して改定をすると発表しました。

結局、マイナ保険証の利用はお得なのか損なのか、どちらなのでしょうか。

ここでは、マイナ保険証を利用した窓口での医療費負担の現状と、8月に発表された改定内容をまとめています。

マイナ保険証

マイナ保険証のメリット

マイナポイント第2弾で推進されるマイナ保険証ですが、メリットは大きく4点あります。

(1) 転職・結婚・引越し等環境変化に影響を受けない

これまで転職・結婚・市区町村の変わる引越しをすると、健康保険証を更新する必要がありました。

しかしマイナ保険証は、そのような環境変化に関係なく、健康保険証の発行を待たずに、保険者での手続きのみで、マイナ保険証で医療機関・薬局を利用できます。

(2) 医療機関への情報共有が簡略化される

今後、マイナ保険証では薬剤情報、特定健診情報、医療費通知情報を管理することができます。

外来での過去の薬剤情報と特定健診結果をまとめて管理することにより、医療関係者に情報を簡単に情報共有することができ、最適な医療を受けることができるようになります。

これにより、救急搬送や災害時の緊急事態時の怪我や病気などで、その患者が過去どのような検診を受けていたか、薬を処方していたかが、素早く入手でき診断や治療などに活用されるなどが想定できます(ただし健診情報は、患者の同意を得たうえで医療関係者に提供されます)。

(3) 限度額以上の医療費支払い

医療機関に支払った医療費が高額となった場合、払い戻される制度として高額医療費があります。

しかし、この制度は限度額適応認定証という書類を提出する必要があり、手間がかかるのです。

しかしマイナ保険証を利用すると、この書類提出が不要で自動で払い戻されるようになります。

(4) 医療費控除で確定申告が楽になる

医療費控除は書類を用意する必要がなく、マイナポータルから申請することができます。

マイナ保険証を利用すると窓口負担が増えるという問題

積極的に推奨されているマイナ保険証ですが医療機関で利用した場合、患者の窓口で支払う医療負担が従来の健康保険証を利用よりも高いという現状があります。

3割負担では、初診時21円、再診・外来時に12円、調剤9円の上乗せが発生します(実は従来の健康保険証を利用した初診時窓口負担も、9円増えています)。

理由としては、マイナ保険証の取り組みを推進するために対応病院の報酬を引き上げるためだそうです。

マイナ保険証を広げるためには、まずは医療機関に対応してもらう必要があり、マイナ保険証を採用した病院側のインセンティブとして診療報酬を上げたということです。

これは病院に使ってもらうために、その負担についてはマイナ保険証を利用した患者がするという構図です。

つまり、マイナ保険証を利用すると便利になる分、従来の健康保険証より医療費負担が増えるということです。

厚生労働省の意向としては、マイナ保険証を利用すると医療の質の向上が見込めるという点で、窓口負担を増やすということらしいです。

8月に厚生労働省はマイナ保険証利用時の窓口での医療費負担減額を発表

このようなマイナ保険証の申請を推進する総務省と、マイナ保険証利用について管理する厚生労働省は真逆の動きに対して批判も大きかった影響で、8月10日に厚生労働省は「マイナ保険証について、10月から患者の窓口負担を軽くすること」を発表しました。

3割負担場合、10月以降マイナ保険証を利用した初診は現在より15円減となる予定です。

その代わりに従来の健康保険証を利用した場合の窓口負担は増額となります。

<10月以降の窓口負担変更>

・マイナ保険証を利用した場合

初診:21円 → 6円、再診:上乗せなし

調剤9円 → 6円

・従来の健康保険証を利用した場合:

初診:9円 → 12円、再診:上乗せなし

調剤3円 → 9円

結論:マイナ保険証は「今後お得になる予定」

マイナ保険証を利用すると、窓口負担について10月以降はお得になる予定です。

減額と発表された金額は10月から実装されるということで、現状の負担額が増額状態です。

マイナ保険証が利用できる医療機関はまだ全体の15%未満で、まだ利用できない医療機関の方が圧倒的に多いです。

とりあえず9月末までは従来の健康保険証を利用しておくのが無難です。

そのため、マイナポイント第2弾は参加しマイナ保険証の申請をしつつ、実際に利用するのは10月以降とするのが良いでしょう。(執筆者:太田 玲世)

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