筆者はセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードDigitalを持っています。
今回、セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カードのインビテーションが届きました。
ただのインビテーションではなく、年間1回使えば年会費が毎年無料となるという破格の条件付きです。
実質負担なくゴールドカードが使える以上、すぐ申し込むべきですが、いろいろと考えることがあり躊躇しています。
なにを考えているのか、ご紹介します。
目次
特別なインビテーションがやってきた
セゾンゴールドアメックスは、年会費1万1,000円するカードです。
これを年会費実質無料(年間1回の利用で無料)で持てるというのです。
申込みの締切りは、2023年3月31日なので、まだまだ猶予があります。
インビテーションの背景を見てみます。
なお、今年2022年に登場した、年会費無料になる「SAISON GOLD Premium」とは別のカードです。
インビテーションは上のクラスのカードを特別に申し込めるもの
年会費無料等、スタンダードのカードを使って実績を積み、そして滞納しない優良顧客にしばしば、上位カードのインビテーションが送られます。
スタンダードカードホルダーにはゴールドの、ゴールドカードホルダーにはプラチナの、というインビテーションが通常です。
上位のカードについて、引き続き年会費無料前提のインビテーションも存在します。次のものが有名です。
・ エポスゴールドカード
・ イオンゴールドカード
・ セブンカード・プラス(ゴールド)
いずれも「こういった顧客にはインビテーションがある」という決定打はありません。
ただ、イオンゴールドカードの場合、年間50万円利用で自動でゴールドに切り替わることが公表されています。
その他は事実上の目安ですが、エポスは年間50万円以上、セブンは年間100万円以上でインビテーションとなる可能性が高いとされます。
今回のセゾンのインビテーションは、「本来有料のカード年会費を無料にする」という点が特殊です。
実際、企画ものであって、継続して実施されるかどうかは不明です。
過去のインビテーションは条件付き
セゾンゴールドアメックスの年会費無料インビテーションは過去にも実施されています。
ただ過去のものは、次の条件がありました。
・ セゾンクラッセ(サービス終了済)の「★4」以上の会員
・ 廃止になったウォルマートカードセゾン会員への切り替え用
今回は、なんの制限もありません。
実に甘い基準
筆者はセゾンパールをほぼ、QUICPayでしか使いません。
3.0%と高い還元率を誇ったセゾンパールのQUICPayも、現在2.0%に低下しています(11月よりさらに下がる可能性あり)。
2.0%でも十分高いものですが、QRコード決済の大型キャンペーンが多い昨今、QUICPayを重点的に使っているわけではありません。
昨年末に作ったこのカード、入会キャンペーンのためよく使ったものの、現在までの利用合計額を算出したところ16万円しかありません。
重要な顧客でもないのにインビテーションが来たわけです。
グレードアップではない
インビテーションによる上位カード発行は通常、カードの切替えとして行われます。
今回のセゾンゴールドアメックスは、切替えではありません。追加発行です。
セゾンパールのQUICPay特典はゴールドにはありませんが、放棄する必要はないわけです。
無料のゴールドは必要か?
ここからが、筆者の悩みの部分となります。
インビテーションに応じなくていいと思う理由です。
ただし、同様の状況にある別の方にとっては同じ事象がメリットにも感じられるでしょう。
メリットを感じる方は申し込めばいいと思います。
ゴールドを追加してもなにも起こらない
クレジットカードを研究している筆者は常時10枚以上のカードを有しており、価値のないものは順に解約しています。
新しくカードを持つと、入会キャンペーンその他で特典が得られるのは大きなメリットです。
ですがインビテーションでセゾンゴールドアメックスを持っても、キャンペーンはありません。
むしろ、審査を新たに受けるリスクもあるわけです。インビテーションでも、審査は行われます。
ゴールドの審査にもし落ちた場合、カード申込履歴の残る6か月間は、新たなカードを申し込んでもまた落ちやすくなります。
入会特典のないカードを申し込むことの期待値が大きくないわけです。
ステータスはない。実益は?
今回のような基準の緩いインビテーションを実施する以上、もはやセゾンゴールドアメックスにステータスは望むべくもありません。
とはいえ、「エポスゴールドカード」を愛用している筆者は、最初からステータスなど気にしません。
問題は実益がどこまであるかなのです。
セゾンゴールドアメックスの実益は、以下の通りです。
・ ポイント還元率0.75%と、通常のセゾンカード(0.5%)より高い
・ 海外旅行傷害保険付帯
・ 空港ラウンジ利用可
・ 毎月月末の週末、ロフト5%優待
・ SAISON MILE CLUB(年会費4,000円支払うとJALマイル還元率1.0%)
「アメリカン・エキスプレス・コネクト」「セゾン・アメックス・キャッシュバック」といった実益は、セゾンパールにも付帯しているので考慮しません。
以下、手短に論評します。
ポイント還元率は高くはない
ポイント還元率0.75%は他のセゾンカードよりは高めですが、エポスゴールドカードを1.6%で使っている(年間100万円利用とファミリーボーナス)筆者にとっては、惹かれません。
新登場のゴールドカード、SAISON GOLD Premiumが年間利用50万円以上で1.0%の還元率となるのと比べても、見劣りします。
海外旅行傷害保険は悪くないレベル
海外旅行傷害保険は「本人・家族特約ともに現地医療費上限300万円」という、なかなかいい内容です。
ただし、利用付帯(旅行代金を事前にカード決済する必要がある)なので、他の保険と組み合わせづらい点は難点です。
そして今後海外旅行に行くとしても、私はカード保険には頼らないつもりなのです。
SAISON MILE CLUBは価値あり
SAISON MILE CLUBはマイルを貯めたい人には実益があります。
年間4,400円でマイル還元率1.0%となるのは悪くありません(正確には、別にポイントもわずかながら付与)。
ポイントでなくマイルがたまるので、3年間で消滅してしまい、管理がやや困難というデメリットはありますが、JALマイラーなら価値はあるでしょう。
他にもホテル優待や空港手荷物優待などゴールドらしい特典はあるものの、すでに実益のあるゴールドカードを持っているため、それほど惹かれないのが正直なところです。
結論:インビテーションは受けない可能性が高い
まだ時間はあるため、インビテーションを受けて申し込むかどうかは考えます。
可能性としては、「世間に入会特典の大きいクレジットカードがなくなった(あるいは、もう持っているので申し込めない)」時期が続いたときに、申し込むかもしれない程度です。
この機会にセゾンゴールドアメックス、さらにゴールドカード全般について考えてみたのですが、一言でいうと「もはやゴールドカードの時代は過ぎた」という印象です。
ステータスを放棄したゴールドカードなら、新規発行という内容のインビテーションでなく、比較的明確な基準のもとでのグレードアップをして欲しいと思います。(執筆者:沼島 まさし)