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「新NISA」で失敗しない 2024年までに絶対に知っておきたい3つの知識

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「新NISA」で失敗しない 2024年までに絶対に知っておきたい3つの知識

2024年から新しいNISAが始まります。

現行NISAと比較すると大きく進化しており、全投資家が楽しみにしていることと思います。

大きな変更点は下記の通りです。


・ 非課税保有期間の無期限化

・ 口座開設期間の恒久化

・ つみたて投資枠と成長投資枠の併用可

・ 年間投資枠の拡大

・ 非課税保有限度額が全体で1,800万円(枠の再利用可)


まさに神進化といっても過言ではないでしょう。

新NISA


≪画像元:金融庁 新しいNISA≫

過去記事でも新NISAについて解説しておりますので、詳しく知りたい方はご参考ください。

前例にないほど進化した新NISA。

ですがこの新NISAを活用するにあたり、絶対に知っておいていただきたい注意点もあります。

一生を左右することになりかねない期間、金額を非課税で運用できる制度ですので、失敗しないためにもしっかりとした知識を持って活用していただきたいと考えております。

アクティブファンドへの投資は避けるべき

アクティブファンドとは指数に連動するインデックスファンドを上回るリターンを目指す投資信託のことをいいます。

インデックスの成績を上回るためにプロのファンドマネージャーが運用しているため、手数料が高い傾向にあります。

プロが運用しているため、一見するとインデックスファンドよりも良いように思えますが、長期でインデックスファンドを上回るリターンを出すことができたアクティブファンドはほんの一握りというデータが出ています。

つまりインデックスファンドへ投資しているだけでほとんどのプロに勝つことができるということです。

新NISAで投資するなら基本的にインデックスファンド一択といってもいいでしょう。

新NISAのつみたて投資枠で投資できる商品については現行つみたてNISAと同様の商品となっています。

つまりそのほとんどが手数料の安いインデックスファンドとなりますので、大きな心配はいらないでしょう。

対して新制度から併用することが可能となる成長投資枠では手数料の高いアクティブファンドへの投資も可能となっています。

ここで金融機関へ投資相談をしている方は注意が必要です。

インデックスファンドはその手数料の安さから金融機関の儲けも少なく、販売者視点ではおいしくない商品です。

対してアクティブファンドであれば一定の手数料収入を見込むことができます。

年間240万円という大きな成長投資枠のなかで、手数料の高いアクティブファンドを勧めてくる金融機関が多くなることが予想されます。

あの手この手で一生懸命勧められると「一部の資金はアクティブファンドへ投資してもいいかな」と思えてしまうのが人間というものです。

インデックスファンドもアクティブファンドもリターンをコントロールすることはできません。

ですが手数料を抑えることはできます。

手数料を抑えることで確実にリターンにつながります

大きければ2~3%もの手数料の差があるなかで、あえてアクティブファンドを選ぶ理由は全くないでしょう。

金融機関とは適切な距離を取ることを強くおすすめします。

高配当株への投資は目的が大事

新NISAでつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となったことで、大きな脚光を浴びているのが高配当株投資です。

高配当株投資とはその名の通り、保有しているだけで高い配当金を受け取ることができる株式へ投資することをいいます。

現行のNISA制度ではつみたてか一般かどちらか一方しか選択することができませんでしたので、資産拡大では劣る高配当株投資はどうしても劣後する形となっておりました。

ですが新NISAではつみたて投資枠でインデックスファンドへ投資しつつ、成長投資枠で高配当株投資を行うという両建が可能となります。

非課税で高配当株投資を行うことにより、その配当金も非課税になるというメリットがあります。

通常の特定口座であれば定期的に受け取る配当金にも約20%の課税がされていました。

それが非課税で、なおかつ積立投資とも併用できるということで改めて注目されています。

1,800万円の枠のうち、数百万円分でも高配当株を保有し続けるだけで、半永久的に不労所得を得ることができるマネーマシンが完成するのは確かに魅力的です。

まさに金の卵を産む鶏といえるでしょう。

ですがここでも注意が必要です。

配当金を生活費などに充て、有効に活用しているなら問題ないのですが、結局使わずに再投資に回す可能性がある場合は資産の拡大効率は悪くなってしまいます

受け取った配当金を再投資に回す場合、その分非課税枠を使ってしまうことになります。

配当金を自動的に再投資に回すインデックスファンドであれば新たに枠を使うことなく複利の効果を最大限活用することができます。

配当金を再投資に回すことによってどうしても資産拡大効率は落ちてしまうので、そこは注意が必要です。

限りある非課税枠を使っての高配当株投資についてはその「目的」が重要となるでしょう。

何のために高配当株へ投資をするのか。

高配当株への投資は実際に資産を活用するフェーズに入ってからの検討でも良いかもしれません。

iDeCoとの併用について

新NISAの誕生が決まってから、新NISAとiDeCo、どちらを優先するべきなのかが議論されています。

中にはiDeCoを優先するべきだとする論調も見えますが、結論としてほとんどの方にとっては新NISAを優先するべきだと考えます。

iDeCoのメリットは以下3点です。

  • 積立時の掛け金が全額所得控除
  • 運用益が非課税
  • 受取時の税金が一定額まで非課税

確かに1つ目のメリットは新NISAにはない特徴です。

所得の多い方ほど恩恵を受けることができるでしょう。

ですが2つ目のメリットは新NISAも同様に非課税です。

問題は3つ目のメリット、受取時の税金が「一定額まで」非課税という点です。

よく全額非課税だと勘違いされている方がいらっしゃいますが、そうではありません。

会社員に一番おすすめの受け取り方は一時金受取とされており、その際に「退職所得控除」を適用することができます。

退職所得控除の計算式は以下の通りです。

勤続年数が20年以下40万円×勤続年数

この額が80万円に満たない場合は80万円

勤続年数が20年超800万円+70万円×(勤続年数−20年)

この式で算出された金額を退職金から差し引き、さらに2分の1した金額が所得として課税対象となります。

例えばiDeCoを活用して3,000万円を準備できたとします。

35年間の会社員生活をした場合、退職所得控除は上記計算式に当てはめると1,850万円となります。

iDeCoで準備した3,000万円から控除額である1,850万円を差し引くと1,150万円となり、この2分の1した金額である575万円が課税対象となります。

決して非課税ではありません

仮に企業からの退職金等を受け取っていればさらに課税対象金額が大きくなってしまう点に注意が必要です。

確かに掛け金を払っている間に所得控除を受けることはできていますが、差し引きどの程度のメリットがあるかは細かな計算が必要です。

また、iDeCoと企業の退職金を一定期間空けて受け取ることにより退職所得控除を2回使うこともできますが、ちょっとややこしい話になってしまいます。

さらに大きなデメリットとしてあげられるのが「60歳まで受け取りできない」点です。

ライフプランが変化しやすい若年層ほどリスクとなるでしょう。

ここまで解説した通り、iDeCoを賢く活用しようとすると出口戦略がとても煩雑です。

相当の知識が必要となりますし、現時点で将来のシミュレーションがしづらいのが難点です。

ですが新NISAであればこのような煩雑な出口戦略は必要ありません。

至ってシンプル、全額非課税です。

一人で1,800万円、夫婦合計で3,600万円もの非課税枠を活用することができますので、優先度は新NISAに劣ると言わざるを得ないでしょう。

高年収で所得控除の恩恵が大きい方、もしくは新NISAの非課税保有限度額を早々に使い切ってしまう方以外は新NISA優先で良いと考えます。

今後の制度改革に期待したいところです。

新NISAでスタートダッシュを決めるためにも正しい知識が必要

新NISAはこれまでにない画期的な制度です。

多くの投資家が熱望していた非課税期間が無期限化されたことは大きな進歩でしょう。

ですが制度が良くなっても賢く利用できなければその効果も半減してしまいます。

投資のプロになる必要まではありませんが、最低限の知識は必要です。

今回解説した3つの知識は新NISAを賢く活用するためにも最低限知っておいていただきたいことになります。

賢く活用することで人生がより豊かになることは間違いないでしょう。

新NISAが始まる2024年までに今よりも少しでも知識を蓄えておきたいものです。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)

《冨岡 光》
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執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光 冨岡 光

FP歴10年。保険、投資信託、住宅ローンを専門に扱っております。趣味は株式投資と読書、家族との時間。数々のお客様をコンサルティングさせていただいた経験を活かしながら、「皆様の疑問にわかり易くお答えする」をモットーに活動しております。 <保有資格>FP技能士2級、証券外務員1種、MDRT4年連続入賞 寄稿者にメッセージを送る

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