中国や東南アジアを旅するたびに、現地での日本円の通貨の強さを感じるのは私だけではないであろう。マッサージを受けるにしろ、現地食品や雑貨品の価格は多少の差こそあれ、かなりの割安感がある。
日本の企業も通貨としての円の強みを生かして、製造拠点をアジアに移転し、且つその人口の多さからもマーケットとして、アジアを照準に置いている。2011年3月期における日本主要企業のアジアにおける営業利益は、日本国内におけるそれを上回り、過去最高となっている。
2010年の中小企業白書においても国内中小企業の国際化が著しく進展して、海外子会社の保有割合や輸出額の伸びが顕著に見られる。輸出先も大企業と比較して、アジアへの比重が高くなっている。
反面2011年の通商白書によると、日本はアジアにおける金融拠点、物流拠点、販売拠点、アジア地域統括拠点すべての項目において、中国・香港・シンガポールにその座を明け渡している。
日本は生き残りをかけて、アジアに進出しているが、世界はアジアの中での日本に対する比重を減少しているトレンドにあると言える。
この傾向は、円高・少子高齢化・増税リスク・震災リスク・財政破綻リスクなどのJAPANリスクが顕著な現在以降も、今後ますます拍車をかけることは間違いないであろう。
アジアにおけるビジネスや投資を実行に移すには、今がまさに絶好の機会である。