金融には所得向上の役割を持つものと、支出を支援するものに分かれます。
「所得」と一言にいっても、給与・事業・などの継続的に入ってくる勤労所得や、一時(保険の満期など)所得や、退職・山林・譲渡(資産の売買)などのような一時的な所得。
さらには、利子・配当・不動産・雑(年金)などのような資産や原資を持ち続けることで、経常的に入ってくる分配所得に分けられます。
「所得」とは、読んで字のごとく、「所=どこにおいておけば」「得=収入を得られるか」を表すもので、家計も企業もその貸借対照表をみれば、その資産から生まれてくる所得が予想できます。
例えば、預金や債券を保有していれば「利子所得」を得られ、株式を保有すれば「配当所得」、賃貸不動産を保有すれば「不動産所得」が得られます。
それぞれの所得は、金利・業績・入居が「稼ぎ口」になるため、昨今の日本においては、金利低下・景気鈍化・人口減少から、「運用=資産管理」が目立った働きをしていない家計や企業の決算書をよく見受けます。
しかしながら、その場合、資産が休んでいる(働いていない状態)に陥り、「遊休資産」ばかりの経営になります。
つまり、人・金・物のうち、人ばかりが働いて、金や物が休んでいる状態になっているのです。
これでは、どんなに優秀なスタッフの集まりだとしても、効率が悪いことは言うまでもありません。
また、貸借対照表には、先述の「働く資産」以外にも、「長期的に費用化するもの」が含まれているため、家計や企業の経営者は、その仕訳をせず、何が資産で、何が長期費用なのかを認識していないケースも多々あります。
損益計算は、毎年の税金計算のために眺める機会が多いのですが、貸借対照表をしっかりと観ることで、「働く資産づくり」ができることを知っていただきたいと思います。
ほんの一例ですが・・・住宅は、自らが住めば消費、人に貸せば資産(次のお金(貝)を生み出すもの)、人に売れば単なる仕入材となります。