投資や運用における「リスク」の意味はなんでしょうか?一般的にいう「リスク」の意味を、大辞林で調べてみました。それによると、リスクとは
(1)予測できない危険。 「 -が大きい」
(2)損害を受ける可能性。
という意味だそうです。
ではファイナンスにおけるリスクの意味はというと、
・実際のリターンが、予想リターンよりも違ってしまう可能性の度合い。
という意味になり、一般的にいうリスクとは意味合いが変わってきます。端的にいうと、リターンの変動幅が大きいものを「リスクが高い」と言いリターンの変動幅が小さいものを「リスクが低い」と言います。
下記の表をご覧下さい。
ファンドAの変動に比べ、ファンドBの変動は小さいですね。この場合は、ファンドAがリスクが高いことになります。モダンポートフォリオ理論によると、価格の過去の動き・変動幅の統計を数値化して「リスク」を表します。これを統計学では、「標準偏差」と呼びます。
仮に、株式と債券に投資をしたとして株式の平均リターンが9%で、債券の平均リターンが4%だったとします。そしてリスク(標準偏差)は、株式が20%で債券が12%だったとします。
リターン リスク
株式 9% 20%
債券 4% 12%
この場合の株式の変動幅は、リターンの9%を中心にして上下20%のリターン変動(最大29%~最小-11%)が、約70%の確率で起こるという事を意味します。 (この70%は、標準偏差における固定の単位です。)
では、債券の変動幅の最大、最小値は何%になるでしょうか?
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答えは、16%~-8%ですね。
要するに、ファイナンスにおけるリスクとは損失を被ってしまう「ダウンサイドリスク」だけではなく、「アップサイドリスク」つまり、期待リターンよりも大きなリターンを得る可能性も意味するということです。
例えば、リスク(標準偏差)が大きなファンドでも、コンスタントに期待リターンを超えるリターンを出すようなファンドであれば、このリスクは喜ばしいということですね。
さて、来週はこれを踏まえてリスクの測り方についてお話ししていきたいと思います。