国民1人あたりに換算すると70万円。世帯人数の平均を4人とすると、1世帯あたり280万円もの現金が、自宅に置かれたまま、2013年の新年を迎えたようです。こうした現金は「タンス預金」と言われ、合計額は過去最高、86兆円といいますから、ものすごい金額ですよ。これは。「誰が? どこで? なぜ?」と左右に首振りながら、連呼したくなります。
背景にあるのは、近年の「超低金利」と「デフレ」の影響。銀行に預けておいても金利が低いのでお金が増えない。普通預金の金利はだいたい0.02%。100万円を1年間預けてたったの200円です。だったら、銀行に預けるのも、わが家のタンスに預けるのも、そう変わらない、、、じゃあ、手元にあるほうが安心できる・・・・、ということ。
さらには、「デフレ」・・・物価の下落です。お金が増えなくても、物価が下がれば、お金の価値がアップします。数年前に10万円程度していた液晶テレビが、いま3万円で買えるとすると、いまの10万円では3台のテレビが買えるということ。これ、すなわち、物価下落によるお金の価値の上昇。同じ金額で買えるモノが増えるということですね。
「だったら、タンスの中に現金を入れておけばいい」という気持ちになるのもおかしくありませんね。
昨年末に発足した新しい政権では、「デフレ退治」が最優先の取り込み事項とされています。金利、為替、株価が、当面、動きやすくなりそうです。一喜一憂、ジタバタしないようにするとともに、生活に直結するこれらの動向、その意味や背景の理解を含め、注視しておきたいものです。