最近の金融相場で、勢いがついて上昇している金融商品、目立ちます。投資を控えるリスク要因がそれほど目立たないこと、世界の中央銀行がこぞって金融緩和にあり「お金」があまっていること、そして世界のマネー、金融の牽引役である米国景気が持ち直していること、など理由があります。
ですが、この勢いに若干疑問符をつけ、「すでに20%上昇したから、今更」という声をよく耳にします。
そんなお客様には、「20%上昇したから、次が下がるというその根拠は何でしょうか?」とお尋ねします。時間軸のとりかたで、いくらでも上昇率はかわります。例えば2008年のリーマン・ショックからの時間軸でとった場合はどうでしょうか?まだ回復していないものもあります。ボトムから20%上昇したら、次は下がるというのは主観的な捉え方であって、裏付けはありません。
このような相場が大きく動くときは、個人投資家の皆さんはどうしても「デイトレーダー」になりがちです。日々の値動きに神経質になってしまう。本来の目的を忘れてしまいます。もともと投資は、「余裕資金(当面使い道のないお金)を長期で運用する」というつもりではじめた方であっても、目先の値動きにココロを奪われ、「もっと手っ取り早く儲かる商品はないものか」とか「上がったから利益確定しなくては」などと、回転を急いでしまう。
これでは機関投資家の思うツボです。相場が加熱している時ほど、冷静に当初の目的を確認しましょう。