貸借対照表から見える資金繰り
「株は怖い・・・」 多くの日本人の発言ですが、その株は、株式会社の「資本金」に該当します。株が怖い国民の多くが、株式会社に勤めて、給与を貰っています。
企業が中期の資金繰りのために発行するものが社債ですが、日本企業の多くは、銀行や政府系金融機関の短期の借入に依存しています。当然、短期の借入が、短期の資産(流動資産)より多くなると、企業は資金繰りに困ります。
戦後日本の企業は何十年も黒字を経験しているのですが、その黒字を積み重ねた資産はどこに消えたのでしょうか?
ほんの数年の赤字で企業が慌てふためくような状況ではないはずですが、資産の多くは「節税」という魔法にかかり、退職金など、長期の資産に位置しています。
貸借対照表を横に倒すと、企業の「もうひとつの経営計画」になります。言い換えると、短期・中期・長期の資産と負債のバランスが、一般的な経営計画といわれる「業務の遂行計画」とは別の、資金繰りという「もうひとつの経営計画」なのです。
「資産運用」という漢字を分解して見てみると…
ところで、資産運用とは、短期・中期・長期に分けて、国・企業・個人に資産を貸し出すことですが、資産運用という漢字を分解すると「次」のお金(「貝」)を「産」むように、道=(「之」)つまり、時間と金額を定め、バランスを確認し(「車」)、管理する(「ワ」)ことを継続し、最終的には使える(「用」)ことになります。続けて書くと「次貝産之車ワ用」なのです。
結局、最後の文字のように、作り上げた資産を「使う=用いる」ことの計画が出来なければ、今だけの小手先の経営に陥ってしまい、大切な従業員の給与や、その従業員が「消費者」として果たす役割までも奪ってしまうことになるのです。
その悪の循環からの脱却のためにも、正しい金融の知識は必要となっていくでしょう。