目次
1.株価の不安定な状況
2012年末、民主党政権から自民党政権に変わり発足時は約10,000円程度だった日経平均株価は半年足らずのうちに急激な値上がりを続けてきましたが、5/23日には東証1部の約99%に当たる1691銘柄が値下がりする全面安となりました。
それはITバブルが崩壊した2000年4月17日(1,426円)以来13年ぶりの下げ幅となり、日経平均株価が前日比1,143円安の1万4,483円と大暴落、その後も株価は乱高下を繰り返し不安定な状況が続いています。
2.企業業績がこの半年足らずで良くなったのか?
最近株式投資セミナーが大人気で株式市場の活況を受けて日本株で運用する投資信託が売れすぎ、販売を一時的に停止するケースが相次いでいるそうです。
本来の株価は実体経済が良くなり企業業績に反映されて高くなるのはいいのですが、どう見ても最近の株価の上昇の一因として自動プログラムで高速売買を繰り返す超高速取引(HFT)など投機筋な資金が株価を上げてきたという側面があり、その速さは異常としかいいようがなくファンダメンタルズをきちんと判断して上げたものではなく、ギャンブル的な買いによる株価上昇が目立っていました。
そして日経平均株価の上昇が過熱気味だという警戒感が強まっていた中、中国で発表された製造業に関する経済指標が悪化したことをきっかけに大幅に売り注文が膨らみ、下落幅が大きくになるにつれて投資家心理が冷え込み、さらに売りが売りを呼ぶ荒っぽい展開となり加速度的に株価が下落しました。
一部経済数値には良い兆しが出てきていますが、まだまだ中小企業の業績が良くなったと実感するにはまだ早いような気がします。
3.そこで これから一般投資家はどうすべきなのでしょうか?
株式市場活況の中で一般投資家の中には、『夜も眠れない・仕事も手につかない』という方の声もよく耳にします。本来株式投資をする場合は『余裕資金』で投資するのが原則ですが、『夜も眠れない・仕事も手につかない』というのは明らかにご本人の許容範囲を超えていると思います。
数千万円の損失でも気にならない方もいらっしゃれば、数万円の損失でも『夜も眠れない・仕事も手につかない』という状況になる方もいらっしゃいます。『許容範囲』には人それぞれ違いがありますが、要はご本人にとって枕を高くして寝られる投資額をお勧めします。
株式投資は原点に戻ってPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・ROE(自己資本利益率)など企業業績を中心に銘柄選定し、『長期保有』で愛着を持って一時的な株価に左右されず『余裕資金』で行うことを大原則にすべきであると思います。