最近はいろいろな証券会社、銀行から平成26年から始まるNISA(少額投資非課税制度)の口座開設のダイレクトメールを受け取ることが多いと思います。最大500万円とか、最長10年間とかの非課税枠ができると聞くとすぐに口座開設をしたくなります。
たしかに譲渡益や配当金などが非課税になれば大変お得です。しかし、自営業者の方でNISAを老後資金の準備に利用しようと考えている方は、NISAの前にまず個人型確定拠出年金を検討されることをおすすめします。
老後資金を準備するうえで確定拠出年金がNISAよりもすぐれている点は次の3点です。
目次
1. 拠出額(積立額)全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除が受けられる
これが最大のメリットですが、毎月68,000円の積立をした場合年間で816,000円の所得控除を受けることができます。所得税10%の税率が適用される所得区分の方でしたら住民税10%と復興特別所得税0.21%と合わせて20.21%に相当する約164,900円も税金が少なくなります。(所得によって金額は変わってきます)
つまりこの場合20.21%の運用益が得られるのと同じということになります。(しかもこの「運用益」には税金がかかりません。)
2. 積立額の累計に限度はなく、60歳まで積立可能
毎月の積立額は68,000円、年間で816,000円が限度(国民年金基金掛金や付加保険料と合わせて月68,000円が限度)となりますが、60歳まで積立できますので、40歳で加入しても最大で20年間、16,320,000円の積立ができます。もちろんこの間の運用益は非課税となります。
3. 運用コストが安い
NISAと確定拠出年金双方で投資可能な株式投資信託についてみてみますと、確定拠出年金では購入手数料がかかりません。さらにランニングコストとなる信託報酬が通常よりかなり割安になっています。長期間の運用においてはこの信託報酬のコスト差が運用成績に大きく影響してきます。
ただし、確定拠出年金は加入時の手数料2,700円程度と毎年の口座管理料2、000~7,000円前後(金融機関によって違う)がかかるためあまり少ない積立額では経費倒れになってしまいます。また、原則として60歳までは引き出しができないなどデメリットもありますので注意して検討してください。