店舗や駅・電車の中で、消費税増税に伴う料金改定のお知らせが増えてきました。増税や物価上昇から家計を守るためには、支出の見直しや固定費の払込方法を変えるなどの工夫も大切です。まずは、消費増税でどの程度支出に変化が起きるのかを見てみましょう。
例えば、家賃などの非課税支出を除き、毎月20万円の支出に含まれる消費税は、5%の場合で9,524円、8%の場合で14,815円です(単純に消費税増税分が上乗せされた場合)。
つまり、増税で毎月約5,300円の消費税負担増になりますから、月額20万円の予算しかない場合には、実質的に使えるお金は毎月約5,300円減ることになります。年間で考えれば約64,000円ですから無視できない金額ですね。
そんな時の家計改善の方法としては、「収入を増やす」、「支出を減らす」、「資産運用する」の3つの方法しかありません。皆さんならどれが実行しやすいでしょうか?
支払い方法の変更でお得に
増税で支出が増えた分を収入で賄えればベストですが、収入増は自分の力だけでは難しい側面もあるでしょう。ほとんどの方は「支出を減らす」ことが、最初の一歩として取り組みやすいのではないかと思います。
例えば、家計に占める固定費であるNHKの受信料や、生命保険の保険料の支払い方法を変更すると割引になるのでお得です。NHKの受信料(口座振替・クレジットカード払)は2ヵ月払で2,450円ですが、12か月前払だと13,600円となり、2ヵ月払の年間支払額よりも1,100円の節約です。
生命保険については、ある保険会社の終身医療保険(35歳女性・入院日額10,000円・60日型・65歳払済・先進医療特約付)の保険料を見てみると、月払で5,108円ですが、年払にすると59,690円と、月払の年間払込額よりも約1,600円の節約になります。保険は長期間払込が続きますから、仮のこの例で30年間払い込むとすれば約5万円、年払の方が少なくて済みます。掛け捨ての保険であれば、少しでも節約できればいいですね。
また、自営業の方など国民年金保険料を納めている方なら、1年度分の年金保険料を口座振替で前納すると、年間3,840円の割引になります。
身近で簡単にできることから始めよう
今回ご紹介したのは一例ですが、ひと手間かけることで、金額的には少額でも積み重ねれば大きな効果となる支出対策はあります。長期的な視点から家計のキャッシュフロー(資産残高の推移)を改善することは、将来の生活のためにお金を残すことにつながります。消費税増税に惑わされること無く、身近で簡単にできることから実践してみはいかがでしょうか。(執筆者:高橋 浩史)