4月1日より消費税が上がりました。その後、消費増税分の価格上昇ならまだしも、それ以上の価格が転嫁されているものも目につきます。商品によっては、価格は増税前と変わらないものの、量が減っている、小さくなっているものもあります。これも実質的な値上げと言えるでしょう。
このように、最近では何かと「値上げ」のニュースが目立つようになりました。
では、日銀が「インフレターゲット」を掲げていますので、「物価上昇」は単純に喜ぶべきことでしょうか?
まず、ここで注意したいことは、「物価上昇にともなって、賃金も上昇するか!?」だと思うのです。 賃金が上がらないで、物価だけ上昇すれば消費者の生活は苦しくなります。 「円安」等による最近の値上げ傾向は、輸入インフレであり、小売価格に転嫁されると「コスト・プッシュ・インフレ」になります。
これは、需要が供給を上回る「デマンド・プル・インフレ」と違い、良いインフレとは言えないのではないでしょうか? 「円安」で輸出企業の業績が改善し、財政出動、成長戦略の効果も相まって経済が徐々に温まる…その結果、「賃金上昇」による需要増加と小売価格引き上げの好循環が生まれてはじめて、ようやくデフレから抜け出す。これが「良いインフレ」だと思います。
逆のパターンで、賃金が上がらず景気が悪いなかでの物価上昇=スタグフレーションとならないよう…FPとして情報発信とともに、警鐘をならして行きたいと思います。(執筆者:阿部 重利)