マイホームを購入する時に、ご夫婦それぞれが住宅ローンを組むというケースがあります。「どちらにも収入があるし、ローンの契約をする時には団信にも加入したから、生命保険はなくても大丈夫だろう」と考える人がいるようですが、これは危ないと感じます。
「団信」とは団体信用生命保険のことです。これに加入することが利用条件になっている住宅ローンが多いこともあり、ローンを組む人の大多数が加入しています。この保険は保障額がローン残高と同じになる仕組みなので、契約者の万一の場合には団信からの保険金でローンが返済されます。つまり、遺族はローンを返済しなくてもよいわけです。例えば夫がローンを組み、夫に万一のことがあっても、住宅ローンは残りません。
しかし、夫婦それぞれが住宅ローンを組み、団信に加入する場合は違います。
夫が1,800万円、妻が1,200万円でローンと団信の契約した場合を考えてみましょう。夫が死亡した場合には、夫分のローン1,800万円は完済されますが、妻分の1,200万円はそのまま残り、ローンの支払いも続きます。逆の場合も同様です。妻に万一のことがあっても夫のローン返済は続きます。ですから、お互いの万一の場合に残ったローンを返済できるだけの生命保険に加入しておくことは家計のリスク対策になります。
また、フラット35では夫婦どちらかに万一のことがあればローンの全額が返済される「デュエット団信」が使えます。
ほとんどのご家庭ではただローンが残らなければよいというわけではないはずですから、プラスアルファの保障も必要でしょう。最近保険への関心が薄れてきているようにも感じられますが、備えあれば憂いなしですからぜひ検討してみて下さい。(執筆者:森田 和子)