先月、田村憲久厚生労働相は公的年金の受け取り開始年齢について、個人の判断で75歳まで延ばせるよう検討する方針を明らかにしました。現在は65歳まで開始年齢を引き上げている最中で、個人の判断で70歳まで遅らせることが可能です。
富裕層の年金受け取りを遅らせることで、社会保障費の膨張を抑える狙いがあり、厚労相は「今も70歳までは選択で引き上げられ、(受給を遅らせると)毎月もらえる額は増える。75歳まで選択制を広げる案が与党から出ており一つの提案だ」と述べています。
専門家は現在の公的年金制度に関して、現行制度のままでは、厚生年金は2033年に、国民年金は2037年に積立金が底を突いてしまうと指摘しています。また、消費税率を5%から10%に引き上げても、日本の財政運営が行き詰まる時期を4年ほど遅らせるだけの効果しかなく、消費増税だけで財政破綻を回避するには、税率を30%以上まで引き上げなければならないそうです。
これ以上の消費税引き上げは国民生活に及ぼす影響が深刻になるので、絶対に避けるべきだと思います。消費税を引き上げることなく、現在の年金制度を維持していくためには、年金支給開始年齢の更なる引上げを避けることはできません。今後も更なる少子高齢化が進んでいく状況では、年金支給開始年齢が70歳以上になったとしてもやむを得ない状況と言えます。
次の世代に禍根を残さないためには、富裕層に限らず、出来るだけ多くの人達が個人の判断で年金支給開始年齢を70歳~75歳にしていかなければならない状況と言えます。いま現役世代の皆様は、健康管理に気を付けて、70歳まで現役で働くためのスキルを身につけておくか、70歳以前のリタイアを希望されるなら、現役の間に出来るだけ多くの貯金をして、国や企業に頼らなくても良い「自分年金」を「自分」で用意しておく必要があります。
マネーの教訓
今後も更なる少子高齢化が進んでいく状況では、年金支給開始年齢が70歳以上になったとしてもやむを得ない。70歳まで現役で働くためのスキルを身につけておくか、現役の間に出来るだけ多くの貯金をして、国や企業に頼らなくても良い「自分年金」を「自分」で用意しておくべきだ。(執筆者:木津 英隆)