化粧品を買いにデパートに行った時のことをご紹介しましょう。商品を選び、会計が終わるのを待っていると、慌てた様子で60歳くらいの女性がやって来ました。そして店員にこんなことを言ったのです。
「特に買いたいものはないけれど、何か買います!」。
このデパートでは時折、「2階フロアで1万円以上買い、さらに1階フロアでも1万円以上買うと、食品売り場で使用できる買物券がもらえる」というようなキャンペーンを行っています。該当するフロアや金額はその時々によって異なりますが、この女性は、今回対象のフロアで何かを購入したらしく、あと1万円分の化粧品を買えば買物券がもらえるようです。
たいして必要としていないものを買って、いったいいくらの買物券がもらえるというのでしょう。せいぜい500円。そのために1万円ものお金を出すなんて、売り手側の策略にまんまとはまってしまったようですね…。
このように、買い物客に無駄買いをさせる仕組みがあるので気をつけて。また、広告も要注意。
「あと〇円購入したら送料無料」
「本日ポイント〇倍」
「限定○名!□割引!」など。
でも、それって本当に必要なものですか。○割引と書いてあるものは、金額にすればどのくらいになるのでしょうか。たくさんポイントがつくなら、余計に買ってしまおうという心理が働き、無駄遣いをしてしまうこともあるかもしれませんね。
広告やキャンペーンには、できるだけ多く買ってもらおうという仕掛けがあります。それに引っかからないようにするには、まずは本当に必要か、本当に得なのかと自分に問いかけてみること。そうすれば正しく商品や金額を見分ける力がつき、賢い選択ができる消費生活を送ることができるでしょう。(執筆者:横井 規子)